魔法使いの娘(8)

那州雪絵の最新作「魔法使いの娘」、これにて最終巻であります。
ああ、やっぱり畳みに入っていたか……
グリーンウッド、月光以降の久し振りの連作でしたし、得意のオカルト作品でもあったので、嬉しかったのですが。
まぁ、この辺りが長さとしては妥当でしょう。
最近の少年漫画とか、長すぎるんだよ……*1

魔法使いの娘 (8) (ウィングス・コミックス)

魔法使いの娘 (8) (ウィングス・コミックス)

第30話から34話にあたる最終話までの5話収録。
流石に、過去とか余談とかに寄り道している余裕はありません。
最初っからクラマックスです(謎)。


無畏の伝言。
実の父母の死が、無山の仕業だと知り、ジュニアのところに身を寄せた初音。
そして姿を消した無山。
無山の望みは何か、そして初音は何を思うのか。


魔法使いの娘」のクライマックスです。


無類の力を持つが人間として欠落した存在である無山。
魔法使いの娘”である初音と、その無山を巡る物語は、何とか終わりを迎えたわけですが。


得体の知れないところのある人形師の草壁。
初音に囚われているとは言え、鬼としての本性を露わにする小八汰。
無山なきあとの鈴の木流。


何もかもクリアーとうワケには行かないように見えます。
ですが、この物語は、これで終わりで、いいんだと思います。
元々、スッキリ何もかも解決する物語ではないし。


残念と言えば、今回、おまけマンガや作者のコメントとか、一切ないところですかね。
加えて、続編「魔法使いの娘ニ非ズ」とか。
うーん、どうなっちゃうんだろう(苦笑)。
続けて欲しい気もするし、まったくの新作を見せて欲しい気もするし。*2
ファンとしては、痛し痒しでございます。

*1:だいたい、10巻を越えると話が冗長になってきたり、当初と雰囲気がブレたりして見苦しくなってくるものです。個人的には、3〜4巻で「ああ、面白かった。でももう少し読みたいな」って腹八分目で終わるのがいいと思うんですけどね。

*2:「イリュージョン・フードマスター」の続編が見たい気もするし(笑)。