のだめカンタービレ 最終楽章・前編

年末と言えばベートーベンの第九。


まぁ、第七でもいいかな、と思って観に参りました。
同じこと考える人多いのかな、地元のシネコンは結構な人出でビックリしました(笑)。
http://www.nodame-movie.jp/index.html


ドラマ版「のだめカンタービレ」も最終楽章。
日本編であるTV版、昨年末のTV特別編だった「in ヨーロッパ」に続く最終楽章は劇場二部作です。
今回は、その前編。
「in ヨーロッパ」も第一夜は千秋の物語、第二夜はのだめの物語と言う構成でしたが、今回の最終楽章・前編も千秋の物語になっています。


かつてシュトレーゼマンの在籍した、落ち目のマルレーオケの常任指揮者になった千秋。
マルレーがどれくらい落ち目かと言うと。
前任の指揮者はほとんど失踪状態で退任。
団員はフルオケの半分ぐらいしかいない。
練習場は、資金繰りのために地元の子供バレエ教室に貸し出され、まともに練習もできない。
それでも、コンマスはシュトレーゼマンの時代を知る男。
千秋は、マルレーを建て直せるのか!?


という、極めてシンプルなサクセスストーリー。
劇中でも示唆されるが、そこには、日本でSオケやR☆Sオケを指揮した頃のイメージもダブらせてあったりする。
その成果として、最後のコンサートには、たっぷりの時間が取ってあり、シネコンの音響で聴くのはちょっとしたコンサート気分で気持ちが良い。
これだけのために、もう一度劇場に足を運ぶのも悪くない。


ただ……
その映像の中。
千秋の弾き振りを見ながらうつむくのだめ。
同じ芸術家同士、同じ天才同士、同じ持つもの同士だからこそ。募る敗北感や寂寥感。
シリーズに繰り返すテーマではあるが、後編という真のクライマックスに向けてクローズアップされるこの点こそ、この「のだめカンタービレ」の真のテーマ。
二人が幸せになれるかどうかは……。
後編の公開を楽しみに待つとしよう。