隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS

悪評高いリメイク版。
THE LAST PRINCESS。
見ました。

隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS スタンダード・エディション [DVD]

隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS スタンダード・エディション [DVD]

正直な感想から。


悪くないじゃん。


そりゃ、黒澤作品と比較しちゃうからイカンのです。
近年の国産のいわゆる大作映画の中では、群を抜いて面白いんじゃないでしょうか。*1


黒澤作品は中期を中心に、「七人の侍」「椿三十郎」「用心棒」など半分ぐらいしか見てません。
残念ながら、「隠し砦の三悪人」は見ていないのです。
ただ、ルーカスが原作を見て感銘を受け、そこからインスパイアされてスターウォーズを作ったというのは有名な話。
レイア姫、ダースヴェーダー、C3POR2D2は原型が存在します。


本作では、イメージソースをそこから更に逆輸入した印象を受けます。
山名の刑部は、黒いつるんとした甲冑で完全にダースヴェーダー。素顔が白っぽいのもダースヴェーダーの素顔を思い出させます。
アクションも、黒澤作品・三船敏郎の殺陣、というよりは最近のEpisode1〜3の軽快なライトセイバーのアクションを思い起こさせます。


黒澤作品をやろう、という部分。
例えば、主役らの衣装などの汚らしさ、泥臭さ。
ストーリーの本筋に流れる、泥臭くも骨太な思想。
そういう部分と。
松本潤長澤まさみ主演というキレイで今風のラブロマンスという部分が、どうしても違和感を感じさせるのは事実です。*2


特に、この肝心のラブロマンスを混ぜ込んだことによって、肝心の雪姫があまり芯がしっかりしておらず、成長もないように見えるのが難です。
ただ、近年、そんなヒロインはいくらでも居るので(苦笑)。
個人的には、時代劇風アクション大作として、DVDやTV放送で何度観るのもいいなぁ、と思います。


そんなに酷評しなくてもいいんじゃないかな。

*1:ああ、褒めていないように聞こえる(苦笑)。

*2:スターウォーズで言えば、C3POがイケメンアンドロイドになって、人とアンドロイドの道ならぬ恋と本筋を織り交ぜながら話を進めるようなものです。