地球移動作戦
山本弘最新作。
- 作者: 山本弘
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2009/09
- メディア: 単行本
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地球を動かす、そこに尽きる。
ただ、そこへ至る原因であるとか、過程での紛糾であるとか、様々な理念から阻止を試みるものであるとか。
その辺りは実に山本弘!
そういう感じ。
実際、このハヤカワのJコレクションの中でもかなり厚手の430ページ強。
ぐいぐいと引き込まれて、気付けば、この半日で読み終わってました。
そして、この本の特筆すべき点は。
ある意味、スーパー山本弘大戦であるということ。スターシステムとも言うか。
主たる主人公は風祭魅波。ミハである。
その父親は良輔、兄はサーラ。
序盤に対する相手にはジェノアが登場し、ジェノアのライバルとして良輔らが味方につけたのがビンセント。
ミハの叔父に当たる宇宙船の船長はブレイド。
ミハの恋人の女性パイロットの名前がシリンクス。
ミハの子供の頃の電子ペットはルーくん。
ジャーナリストのモーガン、パイロットで絵本作家のキリ。シャイン、ニジーナ、サーカス作戦。
その他にも、名前が出てくるだけならシアにデル、イーシャちゃんちのアンラッキーなんてSWファンには嬉しい名前も出てくる*1。
短篇のブラックホールダイバーから主要キャラであるミハの恋人が登場したり。
女性神官戦士の姿のACOMがシーヴェルって、妖魔夜行であの大樹のプレイしたゲームの中のキャラか。
ジョウイーは二作しか続かなかったSWのミステリ短篇だし。
結構、難易度の高いところから出してきてる(笑)。
多分、僕がすぐに気付かないだけで、全ての固有名詞に元ネタがあるんじゃないだろうか。
キャラクターの性格も、あらかた、元のキャラクター通り。
ミハやサーラは、良輔みたいに物分りがよくて頭のいい親を持ってしまったせいで、原作通りの性格にはなってないけどね(笑)。
もう、山本弘ファンなら、それだけでお腹いっぱいって感じだ。