災い起こすテンブラー

ダークブレイズ最新作は、B5版リプレイ。

ダークブレイズリプレイブック 災い起こすテンブラー (Role&Roll RPGシリーズ)

ダークブレイズリプレイブック 災い起こすテンブラー (Role&Roll RPGシリーズ)

ルールブックと同じ本棚に飾れるように、リプレイだがB5版で出版した。とサイトだかRole&Roll誌だったかに書かれていたと思います。
もちろん、建前であり。
出版事情もあると思います(苦笑)。
リプレイがB5版などの大判で出版されることには、僕自身としても賛否両論があります。
B5版などの大判は瞬間的な視認性に優れ、大量のデータを比較することが可能で、データを検索するときなどに向いています。
文庫版や新書版は、一番は携行性に優れること、そして適切な文量ごとに目に入るために継続性のある文章を長く読むときに適しています。
このため、ルールブックはB5版。小説や、“読み物”としてのリプレイは文庫や新書が適しています。

かつて、例えばS=Fなど、F.E.A.R.作品でゲームフィールド社枠からB5版のリプレイというのは多数出版されており。
正直な話、そのうちには、作品そのものがそれほど悪いわけではないにもかかわらず、その版形ゆえに読みにくいものがありました。
個人的には、本書は平尾リョウの絵柄とレイアウト。
そしてリプレイという名目になっていますが、リプレイは全体の三分の二。残りは、追加のダンジョンデータとシナリオとう構成も相まって、非常に読みやすいんじゃないかと思います。
……リプレイとサプリメント、どっちを冠すれば売れるんでしょうね(苦笑)。


Role&Roll誌に掲載された、表題作。パパラチア小隊の第一話にその続編である、第二話・第三話。
実はこの第二話、第三話はひとつのエピソードで、第二話ではシナリオのうち、オープニングフェイズだけを1セッションとするという変化球となっています。
このダークブレイズというゲーム。
フィールドフェイズ、ダンジョンフェイズとやることがしっかり決まっており、取り扱いが簡単な代わりに構成に変化がありません。
特に、この構成では、いわゆるシティ・アドベンチャーというものが再現できないのが難です。
今回の第二話は、その一般的なシティ・アドベンチャーをオープニングフェイズの一部分とする手法で、これを解決しています。
フツーはさらっと流されるオープニグに、シナリオの分岐や戦闘が含まれているわけです。
ダークブレイズはコンシューマ・ゲーム的な手法のゲームだったワケですが、確かにそういう変化球もありかもしれません。
ただ、PCの武器や特殊能力のほとんどはダークブレイズに由来するため、ユグドラシアの中では効果を発揮しません。
「これだけ」で終わらせる話だと、ちょっとプレイヤーが欲求不満になるかもしれませんね(笑)。