ナルニア国物語2 カスピアン王子の角笛

不評と有名なナルニア国物語の第2弾。

指輪物語ナルニア国物語と言えば、ファンタジーの双璧ですが。
共に映画化された今日、その映画の評価はまったく二分されています。
曰く、「LotRに比べ、ナルニアは駄作・子供騙しである」と……


まぁ、そう言われちゃうのも、仕方ないかなと言う。


正直な話、近代に描かれた神話である指輪物語と、童話であるナルニア国物語をテーマとか完成度とかで語ること自体がナンセンスだと思うわけです。
言うなれば、エヴァンゲリオン崖の上のポニョを同一のテーマで論じるようなものです。*1


個人的に、映画としてのナルニア国物語は、良い水準であったと思っています。
前作「ライオンと魔女」は文句ありませんでしたし、本作も充分な出来の作品であったと思います。
本作の評価が著しく低かった理由は、おそらく前作と異なりメインになるシーンが人間同士による攻城戦や決闘であり、単純にLotRの第二部などと比較されてしまったためだと思われます。
そもそも城の規模が違うので、ショボくみえるのは仕方ないことです(苦笑)。


また、個人的なこととして。
この「カスピアン王子の角笛」は、僕がナルニア国を子供の頃に読まなかったキッカケでして。
ファンアジーを好きな子供として、ホビットの冒険から指輪物語へ進んだわけですが、ナルニア国には隔意がありました。
それは、1作目の「ライオンと魔女」は、妖精や幻獣が住まう国ナルニアに、伝説上の存在である「人間」がやってくるということで救われるという、そういう童話です。
ところが、数百年後と思われる「カスピアン王子の角笛」では、ナルニアの隣国には人間の国が存在していることが判明します。
しかも、その時代、ナルニアは人間の国に攻め滅ぼされています。
……子供時分に、まったく理解できなかった。
あ、ちなみに、現在もまったく理解できませんが(笑)。神々の時代から人間の時代へという神話的テーマのメタファーとしても成立していない。


なので、悪くはない作品なのですが。
そもそも実写作品にすること事態が間違っているんじゃないかというチョイスです。
ディズニーアニメなら、別に気にならなかったんじゃないかなぁ。
結果として、第三作以降は政策中止ということだが。それは残念でならない。少なくとも「朝びらき丸 東の海へ」までは同じ子供たちの登場する話なので、役者が成長しちゃう前に作ってほしかったなあ。

*1:あ、いや……この2つは同一のテーマで論じられそうな気がしてきたな(笑)。