ダイノコンチネント 夜の殺戮者

夜の殺戮者―ダイノコンチネント シェアード・ワールド・ノベルズ (徳間デュアル文庫)

夜の殺戮者―ダイノコンチネント シェアード・ワールド・ノベルズ (徳間デュアル文庫)

シェアード・ワールドであるとアナウンスがあり。
グループSNEの面々で執筆するとアナウンスがあり。
山本弘がそーとーハードルを引き上げちゃったにも関わらず、本当に今のグループSNEで、こんな設定の小説書ける人間いるのか、と思ったんですが。


杞憂でした。


あ、ちなみに、SNEの作家陣に予想以上の筆力があった、ということではなくて、設定面で大幅にハードルを下げてきました(笑)


今回は短篇集。
友野詳、田辺あひる、番棚葵の三篇が掲載されています。


前作、山本弘の「滅亡の星、来たる」は、ガチガチのハードSF系で、過去に飛ばされ文明が衰退した人類を描いてましたが。
流石にそんな芸当、山本弘ぐらいしかできません。
「滅亡の星、来たる」で予言された、ワームウッドが落下する“約束の日”が近づくにしたがい、新たな未来からの来訪者が現われるようになった。
そして、本作の主人公たちは、アメリカのNGOでサバイバルの訓練を受けた日本の高校生。
しかも、そんな彼ら「ニューカマー」も、ギフトに目覚めるのです。しかも、常よりも大きなギフトに。
……正直、ご都合主義的にハードル下げたなぁ、と言う印象です(苦笑)。


友野詳の「夜の殺戮者」は、正体不明の謎の存在、「ナイトキラー」から逃れるべくあがくホラー映画風味の作品。
田辺あひるの「Best Friend」は少女二人が異郷に放り込まれて、ギフトに目覚め、それを通じて友情を確かめ合う話。
番棚葵の「少女は進み、少年は護る」では、この時代での新たな敵の存在が仄めかされます。
中世か近代辺りからやってきた海賊。
そして、何者かがギフトで改造して、ギフトと同じ能力を持つ恐竜。


いやぁ、ハードルが下がって、TRPGとしてやりやすくなった感はありますな(笑)。
ん……ガープス臭がしてきたぞ(笑)。