シンケンジャー&仮面ライダーディケイド

正しくは。

侍戦隊シンケンジャー銀幕版 天下分け目の戦
・劇場版 仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー
http://www.dcd-shin.jp/

でございますね。


まずは、侍戦隊シンケンジャー
戦隊と言えば。僕は魔法戦隊マジレンジャーを超える戦隊はもう現われないだろうと思っていたんですが。*1
今年の戦隊は格好よすぎる!
脂目マンプクの復活で、一万の外道衆が組織的に動くようになり。
ドウコクでは考えられなかった戦略的な戦をシンケンジャーに仕掛ける。
その結果、冒頭でいきなり消耗戦に持ち込まれたシンケンジャーが負傷や疲労、文字力の枯渇に追いやられ、絶体絶命の状況に。
事態の脱却を図るため、かつてマンプクを封じた初代シンケンレッドの遺した秘伝ディスクを求めるが……


絶体絶命からのホットスタート。
初代秘伝ディスクを求めるも、その目論見が外れるまで、本当に早い。
この状況下で、殿の出す決断。
殿の一騎駆け、目指すはマンプクの首のみ!
アツイ、アツイなぁ。
そして、実にサムライらしい展開。
もちろん、ちゃんと初代秘伝ディスクは継承できるんですが、ちょっとあっさりしているかなぁ。
というのも、20分しかないからしょうがないんだけど。
仮面ライダーとの二本立てになって以来、デカレンジャーまでは各30分、マジレンジャーで40分になったのですが……今回は技術的な仕様で20分に。
3D仕様たって、対応している劇場なんてそんなに多くないんだけどなぁ……
ちょっと勿体ない。


そして、仮面ライダーディケイド
以下ネタバレ含む

壮大な予算を使った冗談です。


それもたちの悪い冗談

だいたい、「大ショッカー」だの、挙句は「士が大ショッカー首領」だの相当オカシイんですが。
オカシイのはそんな設定の問題だけではありませんでした。


もう、まともに論拠を上げる気にもならないぐらいヒドイんですが。


いきなり、妹に出会って大ショッカー首領としての自覚に目覚めた士が、ノブヒコに命じて、
一番強い唯一のライダーを決めるためのバトルロワイヤル
なんてものをはじめさせ。
ノブヒコはどうやってか知りませんが、あんなに博愛主義者のライダーたちをかき集め、戦い合わせます。


……ムリがありすぎるだろ。


そもそも、登場しているライダーがオリジナル版なのかリ・イマジネーション版なのかが今ひとつわからない。
実は最後に津上翔一が顔を出すのだけれど、芦河ショウイチではなく。
かと思うと、南光太郎はTVで出会っているっぽかったし。
……まぁ、どっちにしろ、TVで半年以上やってきたことが全部意味がなかったってことになるのはかわりありませんが(苦笑)。


だいたいBlackRXで共闘している、あの結束の強い昭和ライダーたちがライダーバトルで戦いあうとか、意味がわからない。
平成版にしたってですよ。
剣崎君はまぁいいにしても(笑)。
菩薩のような雄介、人のいい翔一、ライダーバトルを止めようと必死になってた真司、ツンデレだけど実は……なたっくん、大人なヒビキさん、善人の最たる良太郎、いい子ちゃんの渡。
乗せられてた戦っちゃいそうなのは、せいぜいナニ考えているのかわからない天道と、単細胞のモモタロスぐらいです(笑)。
仮にリ・イマジネーション版だとすれば、折角、ディケイドのたびで絆を結んできたのに、いきなりライダーバトルですか。……脚本家の脳が病んでいるとしか思えない。


まぁ、その後いろいろとあるんですけど。


この劇場版で最大にヒドイのは、士の人格が完全に破綻しているってことです。
大ショッカーの首領だとわかれば「ここが俺の世界だったか」と、ユウスケと夏海に剣を投げつけて下水道に突き落としたり。
かと思うと、妹とノブヒコに大ショッカーを追われると、「ここしか俺の居場所はないんだ」と夏海にすがったり。


……ダメ人間過ぎる。


ナンというか、折角TV版「シンケンジャーの世界」で小林靖子が夏海が「士の居場所」についていい言葉を口にしてくれたってのに。
テーマとかメッセージとかそういうものは壊滅です(笑)。
妹が出てくりゃ、それでいいんじゃないかって脚本です。


そして、最終的にやっぱり落ち着くところはオールライダーvs大ショッカー。
鳴滝が「ディエンドドライバーの力で世界を渡って仮面ライダーを集めてこれる」とか言ってましたが、あんたが一番、自在に世界を渡ってライダーを召還してんじゃん。
で、昭和・平成揃って20人以上のライダーで一斉にライダーキック!


……シャドームーン一人に。


ただのチンピラの袋叩きにしか見えない(涙)。
そもそも、キック技のない響鬼や電王ソードフォームがライダーキックするのに違和感バリバリだし。
……やっぱ正義の味方が、巨大でもない、そんなに凶悪な演出もない敵には袋叩きはしないだろう。


相方と見に行った感想は、もうコレに尽きる。


あまりにもディケイドとしても単体の作品としても整合性がなさ過ぎて、ヒド過ぎる。


僕らの中で、オチついた脳内補完としては。


「これは、アレだ。
 強いオリジナルフォームが欲しい、たまには戦って活躍したい、というユウスケの夢なんだよ」
「そうだね、夏海のおじいちゃん=死神博士の問題も、解決してないし」
「夢だから、整合性とか関係ないんだ」
「見たことのない人(=翔一=賀集利樹)が出てくるのも、夢ならよくあること」
「ユウスケ、オチャメだねぇ」


ということになってます。


それが一番、心が落ち着くわ(苦笑)。

*1:その前年のデカレンジャーも、スタイリッシュさ格好よさという点では上回っているのですが、敵が恐ろしく、家族愛・勇気を堂々と描き、そして力による解決だけでは終わらなかった。というこの点で、マジレンジャーは最も子供たちに見せたい戦隊物と思っています。