神曲奏界ポリフォニカ ブラック

シェアードワールドノベル「神曲奏界ポリフォニカ」、ブラックシリーズの11巻目。

今回の事件は、精霊事件と言うよりは、「不可思議事件」という範疇です。
確かに、精霊がいて、精霊犯罪を取り締まる部署がある世界では、「幽霊」とか「超能力(?)」とかは精霊課の管轄になるのかもしれませんね。
キイナじゃなくて(笑)。


今回、不思議な能力を持つ女性と、彼女の興したいわゆる新興宗教のホームが舞台。
精霊がいて、創世に関してある程度事実確認が取れている世界で、奏世神以外に宗教ってどうなるのかと思ったんですけど、こういうミニマムな新興宗教は成立するわけですね。
ただまぁ、今回の組織に対して「宗教」という単語が出てくる以上、大小の宗教が成立してはいる様子。


あと、意外だったのは。
コピー機、あるんだ(笑)。
「賢者の石」が存在するせいで、集積回路の類は発達せずデジタル技術が殆ど発達していない世界で、神曲に使われる封音盤もオルゴールやレコードの延長線上にあるアナログな代物。
確かに、レンズとライトで、ゼロックス時代のアナログなコピー機ならありうるのか。高価だろうに。
まぁ、小さいとは言え編集出版をしているような会社だからなのかな。


あとがきでは、マティアとマナガの秘密は次の12巻で一通り明かされるとのコト。
今回、「何故、マナガが200年前とは大きく異なる姿をしているのか」の一端が、明かされた。今の姿がナニであるのかは、直接示されたも同然だ。
ただ、そうすると6巻ラストでマティアに起きた事象から想定される内容と、どうすれば繋がるのだろう。
次巻が待ち遠しい。