超・電王&ディケイド 鬼ヶ島の戦艦

昨日から公開が始まっております電王の新作。
流石に、平日なんで公開初日に観に行く、とか、舞台挨拶とかは無理でしたけど。


http://www.cho-den-o-01.jp/


もはや「電王はすごい」なんてことは言い尽くされており、いまさら僕が言う必要もないぐらいです。
ただ。
やっぱり、心配はあります。
そもそも主役の佐藤健が出ない電王ってのは、どうなんだ。とか。
「電キバ」「さら電」と続いて、いい加減TV本編で決着のついたイマジンが出てくるのが不自然だとか。*1
でも、とにかく観るしかないワケで。


今回。
GWで旅行に出かけているのか、それとも豚インフルエンザの関連かどうかはわかりませんが、僕らが行ったシネコンはあまり人出が多くありませんでした。
シネコン自体も、比較的閑散としていましたが。
それでも一番人入りが出そうな時間だったんですが、席の埋まっている率は良いところ五分というところでしょうか。
やっぱり徐々に動員数は落ちている感じですね。


勿体ない!


本当に言いたいこととしては、勿体ないとしか言いようがない。
正直、今回の電王は、TV版の電王の亡霊に取り付かれることなく、新しいストーリーとしてきっちり作られており。しかし、電王の最大の魅力は失っていない。
まさに、超・電王の名にふさわしい。


大きな時間の改変が行われ、良太郎が子供に戻り、侑斗が消失した「現在」。
主人公は、もっぱらデネブと言って過言ではありません。
ディケイドは本当におまけ程度です(笑)。いや、ちゃんと役割もありますが、キバと違って最終戦闘である巨大戦に加わっていないので、おまけ感がどうしてもあります。
巨大戦できる要素がないからしょうがないですけどね。


もう一人の主人公は、田舎に転向してなじめない少年ユウ。
現実から逃げ出したくて、デンライナーに飛び乗った彼*2とともに、時間改変の現況と思しき「鬼」の退治に向かう。


……ワケなんですが。
以下ネタバレ。
鬼退治自体はそれほど意外性はありません。
現代に跳ばされたミミヒコ(シルバラ)、過去で奮戦するクチヒコ(ゴルドラ)。
それぞれ通常戦で戦い、最終戦闘は巨大戦。
まぁ、展開自体はセオリー通りです。
この手の作品だと、守らなきゃいけないキーアイテムは敵側に奪われて、巨大な敵はラストで復活しちゃうんですよね。
その手前で抑えられる作品はあんまり見たことない(笑)。


また、同行者となったユウですが。
これまたセオリーどおりですが、過去へ行き、失った過去=死んだ母への固執を乗り切ることで、人間的な成長を遂げます。
つまり電王のテーマの本質である「後悔」であり。
TV版から続く、電王の定型をちゃんと踏んでいるのです。
さて、そのユウですが。
作中ではずっと「ユウ」としか呼ばれず、フルネームが明かされませんでした。
エンディングでやっと、ユウの本名が明かされます。


その瞬間。
劇場内では、コアなファンだろうと思われます、おねーさん方の驚き声が上がりましたが。


どー考えても、そーだろうよ(笑)。
フィクションで、明らかなネーミングの類似性を看過するわけがないし。
ユウは明らかに過去の人間。
まぁ、確かにあの村がかなり田舎だったこともあって、現代だとも受け取れるんですけど。
僕はユウが付けていた時計で確信しました。
カシオのあの時計は、G-Shockの原型になった時計で、あれは1980年代前半ぐらいの代物です。1983年にはG-Shockが出てますから。*3


TV版でも、正直、良太郎の物語は終わっており、残されているのは、侑斗の物語なワケです。
そう、侑斗の物語はまだ、終わっていないんです。
ゼロノス・システムの影響で、桜井侑斗の時間軸は、侑斗がデネブと出会った時点から桜井までの時間。侑斗がゼロノスでいた時間が消失しています。
元の時間軸に戻ってもいいはずなんですが、そうしないところを見ると、ゼロノス・システムで消失した時間に戻るのは危険なのだと思います。
結果として現在、侑斗は時間を彷徨う立場になっているわけですが。
その侑斗が、最終的に落ち着く時間を決めて、愛理と結ばれないと、ハナに繋がらないわけです。
まだ、そこに空白がある。


実際。
今回のエンディングで、侑斗は戻ってきました。
でも。

でも、良太郎が子供のまま戻らなかったり。
過去の時代の鬼が、何故「時を走る戦艦」ナンてものを持っていのか。まだまだ秘密が隠されていそうです。
そっか……続編か……(笑)。


期待したいです!

*1:イマジン自体は、単純に確定していない未来からの遡行者で、TV版ではカイという不完全な特異点が顕現のキッカケになっただけ、なのかも知れませんが。

*2:演じているのは女性なので、「彼」という人称代名詞に違和感は感じますが。

*3:時計マニアじゃないんですが(笑)。この時計には縁があるもので。