魔法使いの娘(7)

那州雪絵の新刊。

魔法使いの娘 (7) (WINGS COMICS)

魔法使いの娘 (7) (WINGS COMICS)

久々な感じがします。
確認すると全巻が出たのが2008年の5月。
年に1冊程度のペースでしか出ていないのか、1巻に4〜5話収録。初出を見る限りだと、月刊誌に隔月連載しているようなのに、妙なペースだ。


さて、今回は26話から29話までが収録。
26話は過去のお話。
初音が小学生ぐらいの頃に無山が受けたお仕事の話。
海辺の寒村のお払い。
……我々は、山海からたくさんの賜り物をいただいて生きているのです。


27話はジュニアさんからの依頼。
消えた花嫁探し。
この作品、何のかげりもなくハッピーエンドって殆どないんですが*1、これもまぁ、そんな感じなのですが。
結末ゆえか、気持ちのいいエンドが続きます。


かわって28話・29話と話が進展。
無畏と操名の閉塞した関係のツケがここに表れて、そうして無畏はクリティカルな一言を鈴音に残します。
そして無山がまたまた失踪(笑)。
鈴の木にまともな会社事務所がありスタッフがいることが判明しますが……


そろそろ畳みどころに来ているのかな、とも思います。
何しろ、02年7月号掲載の第1話。初音が16歳の高校1年生のときからスタート。
リアルタイムの流れに合わせて作品時間も進行し、最新刊では同級生の青石さんは大学卒業を控えて就職活動中です。
まぁ、「鈴の木初音、25歳独身。家事手伝い」とか、面白い話になってしまうだけなので(笑)。


それにしても、昨今のドラマ不況の世の中。
実は、作中の時間の流れさえ無視すればドラマに向いている作品なんじゃないでしょうか。まぁ、モノノケ絡みでCGは多用されますが。
兵吾と小八汰、無畏にイケメンを配し、初音に売り出し中の高校生ぐらいの女の子を使えば実にキャッチィです。
話も適度にラブもあるし、ダークな底辺を流れるテーマとか、ミステリアスなどんでん返しとか、1クールやるには適していると思います。
……まぁ、新書館じゃ弱いよなぁ(苦笑)。

*1:だいたい、どこかしらに、「それでいいの?」的なダークサイドが残っていることが多い。