ミスト・キャッスル

SW2.0、初のサプリメントです。

まぁ、これまでもルールブックと同じ文庫形態でシナリオ集が2冊出ており。
本来であれば、書棚で並ばない版形が異なる出版は不利だと思うワケですが。それでも新紀元社から出なかっただけマシというものです(苦笑)。*1
それに、やはり文庫には文庫の、大型の版形ではそのサイズなりのメリットがあります。
この一冊は、そのサイズを充分に活かした一冊と言えるでしょう。


まぁ、サプリメントという定義からすると、色々な作品があります。
シナリオ集もサプリメントに含むところもあれば、追加データ集に限る場合もあり、まぁこの辺りは曖昧なところがあります。
じゃあ、このミストキャッスルは何かというと。
広義で言うならば、シナリオ集の範疇に入るでしょう。
どちらかというと、ボードゲームというか、SW2.0を使ったミニゲームという感覚に近い。
ランダムにマップが作成され毎回異なったストーリーが進行していく、というこの仕掛け。
既に、六門世界RPGで用いられてきたアイディアの延長線上ではあるのだけれど、ソード・ワールドというビッグネームで行った意義は高いと思うワケです。
記述もシンプルで、ゲームブックのような「読み進めやすさ」があるので、ソロプレイやGMレスプレイという方向性では成功していると思います。


ただ、一番気になるのは。
これだけ、初心者でも運用できるように気をつけた作品だと思うんですが……。


蛮族に支配された街での奴隷のような暮らしからの脱出


という、ヘビィなテーマ。
結構、蛮族にはボロクズのように扱われ、殺され、気付くとマッドなコンジャラーの実験であちこち改造されて蘇える。
……新米女神シリーズや「たのだん」で、「SW2.0って面白そーだなー、ちょっとやってみようかなぁ」って思ったユーザーの……
心を砕いちゃいませんかね?(笑)
ポッキリと。
僕だったら、きっと折れたと思うんだけどなぁ(苦笑)。

*1:僕が知る限り、旧版の「ソード・ワールドRPGツアー」シリーズは、出版社が違うせいで知らない人が結構いるので。