カンフーハッスル

アレな映画が続きました。
特に、「少林少女」「僕の彼女はサイボーグ」は凄まじいインパクトを残しました。*1
……そこで、まともなアジア映画。
ということで、チャウ・シンチーの「少林サッカー」の次作であるこの作品にしました。

嗚呼、ナンてテンポがいいんだろう。
これこそ映画だよなぁ。


正直、ストーリー的には、特にストーリーらしいストーリーはありません(笑)。
アクションに次ぐアクションの作品で、そういう意味では「少林サッカー」ほどの物語的楽しさはありませんが。
テンポの良いユーモアと、アクションで娯楽作に仕上がっています。


1930年代の上海を舞台に、当初、ギャング「斧頭会」の台頭が描かれます。
ところが、豚小屋砦という貧民街に斧頭会が手を伸ばしたときに、痛めつけられる住民を見かねて、正体を隠して住んでいたカンフーの達人がこれを退ける。
と、この辺まではカンフーでやった西部劇と言う感じなのですが。
この後は、ギャングが達人の殺し屋を投入、豚小屋砦側に更なる達人が登場、ギャングが最凶の達人を投入、豚小屋砦に真の最強の達人が目覚める。
という、少年マンガ的なパワーインフレ合戦が続きます。
まぁ、仮にも映画なので、少年マンガ的なグダグダなパワーインフレではなく、その辺をあえてパロディ的に扱ってみたり、またラストである真の達人の覚醒へつなげるステップになっています。


まぁ、チャウ・シンチーの作品なので、それぞれの達人が……ヘンなんですけど(笑)。
そのギャップが面白いわけで。
武侠モノに詳しければ、「その流派の達人が、ソレかよ」と笑えるんですが、僕が気付いたのは一つだけなので……その点は日本人にはハードルが高いかな。


今回、主人公のチャウ・シンチーが最初からほぼラストまで完全に抗争の外にいるカンフーもダメダメの完璧ダメ人間で(笑)。
一応、ラストには活躍するので良いのですが。
とりあえず、そのとってつけたようなヒロインとの恋愛要素は別にいらない気がするなあ(笑)。*2
物語性よりもアクション主体の映画なので、バイオレンス色も強いですが、それでも気軽に楽しめる娯楽作になってます。
よかったよかった。

*1:「うた魂」に関しては、もはや問題外です。

*2:ヒロインの他に主要で出てくるキャラクターは一人を除いてみんな男性で、その一人もカーラー巻いてネグリジェ姿のおばちゃんだし。画面は完全にむさくるしくなりますが(笑)。