アンダーアンカー 壊滅す

久々にTV番組の話題。
ケータイ捜査官7』の第35話「ケイタのはつゆめ」です。


こりゃ、語らなあかんでしょ。

ケータイ捜査官7 File 07 [DVD]

ケータイ捜査官7 File 07 [DVD]

年末の第34話の次回予告を見て、「? 上海亭!? まさかな……」と思い。
特撮Newtypeを読み返すと、脚本が押井守
狂言回し的に上海亭が登場する話かとと思いきや……パトレイバーTV版・第29話「特車二課、壊滅す」の堂々たるセルフパロディでした。


美作が始末書を書いているシーン。そしてその独白。*1
アンダーアンカー本部でケイタ*2が出前の注文を聞いて回っているあたりから、ほぼパトレイバーのシーンと変わらず。
注文されるメニューもほぼ同じ。
カレーライス関係のオーダーが削られているのは、中華料理屋にカレーを注文するのがフィクションの作劇として不適切だったからだろう。*3
ニンニク入り肉ネギ四川炒め、なんて自分では頼まないメニューなのにずーっと頭にこびりついている。
それぐらい「特車二課、壊滅す」のインパクトは大きかった。


出前が来ない。
という前半の下りは、ほぼ「特車二課、壊滅す」をなぞっている。
パトレイバーよりもテンポが良く、サクサクと進んでいるので、パトレイバーを知らない初見の人でも楽しめる。
聞いた注文を忘れる、ってパターンも、「っつーか、セブンに覚えさせろよ」とかツッコミたくなるタイミングでちゃんとセブンがフォローする。
をを、ちゃんと「ケータイ捜査官7」している。
強いて言うと、男性キャラクターが足りないので、遊馬と太田とシゲさんの3人の役割を桐原が一人でやっている(笑)。
それでも、小ネタを挟むことで、一人で盛り上がっちゃってる感じになってないのがスバラシイ。
いやー、シゲさんの「皆の者聞けーい、最新の情報によると〜」のくだりなんか、まさにそのまま(笑)。このシーンが見れただけでも一見の価値がある。


このまま、最後まで「特車二課、壊滅す」をなぞるのは無理があるとおもったら、後半はがらりと展開を変えてきた。
ケイタが実にケイタらしかったり、パトレイバーのパロディではなくちゃんと「ケータイ捜査官7」という作品の、面白い話になっている。


ただ。
根本的な点で、ちょっと残念な点も。
パトレイバーは、埋立地に孤立していて出前を上海亭に依存していると言う特殊な環境があって成立していた話なのだけれど。
アンダーアンカーに関しては逆で、基本的にセキュリティの観点から出前は禁止。今回は何故か許可されたために盛り上がっている、と言うシチュエーション。
ただ、それだけだとやっぱり特車二課ほど切実さがない。
「ナンで、コンビニに買い出しに行かないの?」とか思うし。
また、パトレイバーではまさに「出前が来ない」ということが主眼で、それが事件の全容だったわけだけど、今回はナンで最初に出前が来なかったのかが明かされない。
それ以外にも、霞ヶ関へのアタックの件も明らかにされていないし……そういう点では消化不良。


……ま。
お正月の、お祭りネタだからね(笑)。

明日あたり、レンタルビデオ店で5巻の貸し出しがスゴそうだなぁ(笑)。

*1:パトレイバーでは熊耳さん。

*2:パトレイバーでは野明。

*3:町のラーメン屋なんかだとカレーライスはあるケド……。フィクションでは事実よりもディフォルメしないとリアリティがかえってなくなるから仕方ない。