魔法使いと休日の過ごし方

ナイトウィザード アンソロジーノベル 魔法使いと、休日の過ごし方 (ファミ通文庫)

ナイトウィザード アンソロジーノベル 魔法使いと、休日の過ごし方 (ファミ通文庫)

ナイトウィザードのアニメ版のスピンアウトとしての短編集。
なので、既刊の「宝玉の少女」上下巻とは……あんまり直接的な関係はないと考えたほうがよさそう。


全4作が収録。
脚本家のお二方*1の他に、ナンと今回、菊池たけしが小説にチャレンジしております。
とうとう!

「孤島前夜〜マユリの宝玉大作戦〜」設楽英一/下谷智之
「マドレーヌ〜どんぺりの苦悩〜」吉村清子/みかきみかこ
「ベール=ゼファーの憂鬱」菊池たけし/ぽぽるちゃ
「コイズミの恋」藤咲あゆな/石田ヒロユキ

本当にビックリしたのが、菊池たけしの作品が、
読める。
面白い。
ということです。
GMと小説家は似て非なる職業*2。良いGMが必ず良い作家ではないのは、過去の歴史から学ぶ教訓。
菊池たけしの作家としての腕前は、正直な話、アドベンチャーでした。


しかし、それも杞憂。
まぁ、正式な小説は初かもしれないけど、これまでもリプレイやサプリや雑誌掲載などで、掌編はいろいろと書いてましたものね。
それでも正直、意外でした。
萌えを意識したちょいエロ描写が性に合わない*3ぐらいで、テンポもよく、良作でございました。


他の作品は、順当というところで。
ところで、ロンギヌスのコイズミって、そんなにキャラ立ってましたっけ?
ふぃあ通リスナーに人気があったってだけじゃ……アニメを見た限りじゃ、モブに過ぎなかったような。


自分的に特筆すべきは。
僕は正直な話、石田ヒロユキ氏の絵柄はNGです。性に合いません。
ところが今回の表紙は実に愛らしい。
よく考えると、氏のイラストはこれまでナイトウィザードでしか*4見たことがなかったのですが、あの色使いも好きになれない一つの要因だったのだな、と気づきました。
今回の明るいパステル調の色合いは実によろしい。
これも意外な誤算。

*1:お一方は、彼の名作「金色のコルダ」の藤咲あゆな氏でございます。「ネオアンジェリーク」は見なかったことにします。はい。

*2:GMが職業かはさておき。

*3:これは、北沢慶を含む最近のドラゴンマガジンライトノベル作家全般に言えることなんだけど。

*4:ダブルクロス・ストライク」がありましたな。