罠と幻と放浪者たち

ゲヘナ・リプレイの4巻。
アザゼル・テンプテーションシリーズの2巻目であります。
わかりづらいなぁ、でも昔のSWリプレイもそうだったんだよな。副題なんかつけずにパーティ名で覚えればいいってことか。

[bk1はこちら]
今回も二話収録で、おまけはルール・リファレンスと用語集。
ルールは今回から第二版(アナスタシス)に変更され、このアナスタシス対応の本文中のルール解説もおまけで付属。
ちょっと戦闘中の行動の一つ一つまで注釈つけてるんで、多すぎです。


えー、前巻はGMは友野詳、執筆がプレイヤーの秋口ぎぐるだったのですが、今回はGMも秋口ぎぐるが担当。
正直……微妙。
一話目は、界螺支部長の愛人を警護してもらいたい、という依頼。
ただし、どちらにもバレないように、という注釈付き。
愛人が娼館の存在だ、ということでいざ会ってみると、男娼でした、というそこだけ聞くと藤澤さなえかという印象ですが(笑)。
何というか……品がない。
GMの責任だけではなく、プレイヤー全般が、ナンだけど。
取り扱っているテーマ自体は構わないと思うんですよ、娼婦とか男娼とか、娼館とかって言うのは剣と魔法の世界ではある意味頻出の舞台だと思うし。
ただ、エロとエッチは違うと思う。
僕は「ちょっとエッチ」は構わないと思うが、エロくて品がないのはゲンナリする。今回の作品は、飲み屋のおやぢのエロ話って感じで、ちょっといただけない。
しかも折角、イウサールのふんどし姿っていうファンサービスがありながら、カラー口絵のあれだけですかっ!(論点が違う)


いや、まぁ、それはそれとして。
何というか、全体的にグダグダですよ。
話の進行にまとまりがない。だから伏線が充分に張られておらず、PCの行動も主義主張が感じられない(もともと主義主張がない、キャラクターたちなんですが)。
テーマはいいと思うのに、あいだに交流エピソードがあるとか、プチ事件が挟まるとか、そういうRPGシナリオとしての手法がスポーンと抜けている感じ。
雇われ享受者の襲撃があったものの、それで情報を得られるわけでもなく、ただ戦闘を起こしましたという印象。
もっと伏線とか張らないと。張ってプレイヤーに考えてもらわないと。
これじゃ、ただ単に、GMの言うとおりに動いて、戦った、ってだけです。
本当に何回も言うが、テーマはいいと思うのになぁ……


第二話は、その後始末。
裏にいた燐誡の享受者との対決なんだけど、舞台を変えて、新たな陰謀を前に……こっちもスカスカ。
陰謀のネタを思いついただけで、それをシナリオにしていく努力が微塵も感じられない。
展開はひとヤマで、伏線もなく選択を押し付けた上に、オチもムリクリ。
アザゼルの性格が、極めて意味不明になってます。
前巻だけ読めば人気の出るキャラクターだと思うのに、本巻を読んでアザゼルを好き、って人間がいたらぜひお目にかかりたい。


まさか、この言葉を書くことになろうとは。
友野詳、カムバーック!(失笑)