届かない、手紙

ボス*1曰く。
2〜3ヶ月前に、ヤフオクでかなりグレーゾーンな相手に当たったらしいとのこと。
彼は、ゲーム、書籍や雑貨、衣服など、あまり高価ではないものを中心に入札したりしているのだが。
とあるゲームの新作が出たばかりの頃に、同じ書籍を3冊ぐらい出品している人がいたとのこと、発売日から1ヶ月以内で半値スタート、新品とのことだったので。
一応、6〜7割程度で落札、送料手数料入れてもいくらか得という程度で落札したとのこと。
入金は速やかに行ったものの、その後3〜4日返事がない。
ようやく来た返事は、「送りました」の一言だけ。


ところが、一週間待っても、商品は来ない。


実は、差しさわりがあるのがイヤで念を押さなかったものの、もともと相手方は住所などを開示していなかった。ただ、指定してきた口座が3つほどあり、ひとつが小さな地方銀行だったのと、珍しい名前なのでトラブルがあっても対処できると判断した。
実際、トラブルになったわけだが。


そこで、相手方に再度メールを打ち、届いていない旨を説明。
(キチンと指定はしていないのだが、相手が要求した送料が冊子小包の価格だったので)郵便事故通知を出すので、住所氏名と発送した郵便局と大雑把な時間を送ってくれるように、と説明。
親切にも郵便事故通知についても説明。
これには速攻で返事が来たものの。
要求した事項は一切答えず、「もう何冊か余裕があるので送ります」とのこと。
ボスもまぁ悪いというスタンスで、送料だけは負担することで、送料分を振り込んだ。
その数日後、再度送った旨を告げるメールが。またも、住所もどこから送ったかもなし。


が、待てど暮らせず、やはり来ない。
1週間が経ち、再申告とヤフオクへの経過通知、警察への被害届けの準備などをしている時点でようやく到着。
ありあわせの封筒のハシを破いて、直接書籍をポイと放り込んだだけのものが。
ちなみにこの日は雨天。濡れていなかったから良かったようなもの。
しかも、笑えることに、発送地は口座のある地方銀行とは全然別の場所、しかも発送日が到着の前日。相手方が送ったと言ってから5日も経過した後のこと。
こんな次元の低い相手は初めてだったとのこと。まぁ、そりゃそうだ。


あくまで、メールでのやり取りなので、こちら側の解釈になるのだけれど。
もともと誠意のない相手だったのだろうと思われる。
詐欺の意図があったかどうかは不明、何故かと言うと送ってきた「ありあわせの封筒」が相手方の家に届いた封筒に宛名シールを上貼りしたもので、これでようやく住所がわかったぐらい(笑)。
ボスが郵便事故通知の話とYahooに連絡することをちらつかせたところで泡を食って送ってきたものと思われる。
底が浅いなぁ……


郵便事故って言えば言い抜けられるとでも思ったのかな。
この相手方もそうなんだけど、郵便事故と言うのは実は100%調査をしてもらえると言うことを知らない人は多い。いや、信頼度はアレだけどね。
今は郵便局のHPに専用のフォームもあるが、昔から地元局長宛に書面で通知を出すというのが効果的なやり方で、こういうのが行政書士の仕事にもあったりする。
https://www.kansa.japanpost.jp/pi_omouside/internet/G10_00.jsp
ま、最近はこのフォームができた所為で、局長が突っぱねると言う本末転倒な事態も多いらしいんですが。
郵便事故はちゃんとローカルなところで調べないと出てこないよ。


郵便事故には大雑把に3タイプあって、郵便局内の紛失の場合、機械や車輌の隅に落ちていたり、他の区分に混じって別の場所に行ってしまったり。
もう一つは郵便局内の管轄下だけど、収集や配達の過程で作業員のミスや悪意などで紛失してしまう場合。
第三に、配達後、相手方の郵便受けから紛失する場合である。


実は無視できないのは第三の郵便受けから紛失する場合なんだけど。昔から泥棒やストーカーのお家芸だったりしますからね。
しかしこの辺、今回のボスの場合、この時期に郵便受けに面した大通りが大規模工事中で、彼の家の前には場所柄常に複数のガードマンと半々ぐらいで現場監督さんが車を止めていたとのこと。
確かにその状況で、郵便受けからモノを抜き出せるわけもなく。確率ゼロと言っても過言ではない。


だとすると、第二ケースの場合は、たまたま該当の一通だけ、と言うことはなく慢性的にやっていることが多いので、調べるとわかるし、第一のケースならばまず間違いなく出てくる。
郵便事故は、確かに補償がないが、届かないだけで泣き寝入るのではなく、ちゃんと調査をしてもらうべきだ。
日本人はTV番組の影響や「お客様は神様です」なんて企業の宣伝文句のせいでエゴが肥大化し、過剰な権利を要求するくせに、いざ法的な手続きなどは総じて及び腰だ。
アメリカのように、明らかに自分のミスなのにも関わらず訴訟をするというのもアレだが、日本は個人の訴訟が非常に少ない。
特に三審までやることが少ないので、確定的なリーディングケースが存在しない。インターネット上でのトラブルの大半もそうだ。無断リンクの是非なんていうのも、著作権法の引用の項目を用いて通説だと主張する法学者もいるけど、インターネット上の著作物やウェブサイトという構造のものに著作権法を直接導入してしまうと生じるトラブルもある。
その辺は、正直な話、裁判所の判断を待たないといけない。逆に言えば、裁判所が判断をしてくれれば、法的に確定するわけで、バンバンやって欲しいと僕などは思う。
もちろん予算がかかるのも確かなんだけど、お金の問題じゃないからねぇ……自分のプライドの問題でしょ。
そうは思いませんか?

*1:SEのボスね