セイクリッド・ドラグーン 虹に輝く未来をめざして

同時発売なのに、どういうわけかトーキョーN◎VAエンゼルギアは店頭に並んでいたのに、これだけ遅れてたんだよなぁ。

今月、エンターブレインのA4判の作品は、先のトーキョーN◎VA「ヴァニティ・エンジェル」、本書の他に、エンゼルギア、門星明華学園といきなり4作品も同時なんですが。
ページ数はほぼ同一なのに、N◎VAのみ2000円未満。他作品は2200〜2400円。
うーん。


正直な話。
別に書籍が数千円するのは構わない。
専門書とか、仕事上で読んでいる本とかは4000〜5000円はざらだし。それを値段に見合わないとは思わない。
でもなぁ……リプレイは読み物。実践的な技術書だ、というのはちょっと無理がある。現在のリプレイの水準の平易な読み物に2000円overはなぁ。
山本弘の「去年はいい年になるだろう」があの文章量で1785円ですよ。
納得がいきにくい。


更に言えば。
明らかに本書の値段設定は大失敗だと思われる。
本書は……


面白い!


ぶっちゃけ、巻頭にカラー口絵入れて、文庫で出してれば、ラノベ読みに広く受け入れられる良作だと思う。
このサイズ、この価格帯だと、TRPGファン。しかも、予めセイクリッド・ドラグーンに興味がある人間しか買わない。
モッタイナイ!


Role&Rollに掲載されたリプレイ二篇に、締めの一篇を加え全三話で完結。
個性がハッキリしていて、魅力的な設定を持つキャラクター。
あくまでキャラクター視点、物語性を重視した筆致。的確なまとめ。
うまいよ、本当。
そして、中二マインドあふれる世界観に、石田あきらの美しいイラストが加わって、クライマックスは読後感も良い。


巻末には、これまでRole&Roll誌に掲載された追加データなんかも載っていますが。
むしろこの作品が受け入れられるのはコアなTRPGファンよりは、フツーのラノベ読みの方に親和性があると思うんだけどなぁ。
戦略ミスとしか思えない。


本当にモッタイナイ。