東のエデン劇場版(2) Paradise Lost

東のエデン、ついに完結。
http://juiz.jp/special/


うん。
まぁ……順当かなぁ。


100億円がチャージされた万能の携帯を渡された11人のセレソン
それぞれが日本を救うために、100億円を使う。
そして、最後に残るセレソンは1人だけ。
自らの望む未来と、生き残りをかけてセレソン同士の抗争が引き起こされる。


前作「The King of Eden」では、再び記憶喪失になりNYから再出発を始めた滝沢と、彼を探し続けた咲。
明確に妨害を続けるNo.01の魔手を逃れ、一旦は日本帰国に成功する。
しかし、その滝沢を迎えたのは故飯島総理の夫人とその勢力。
物部の罠によって包囲される東のエデン
状況は「日本を救う」という理想から、予想しない方向に進み続ける。


履歴から他のセレソンに妨害されることを忌避し、自前のコネクションで活動するNo.01物部。
自らノブレス携帯をへし折って逐電したNo.10結城亮。
ジュイスを破壊され、ノブレス携帯の機能を失っても、自前の100億円で手を回そうとするNo.02辻。
そして、セレソンらを監視するサポーター、No.12。
今回は、ジュイスを介さない争いがキーになっているとも言える。


滝沢は、動き始めた流れの中で、半ば流される様でもありながら自分にできることを模索し。
東のエデンの面々は、これを助力する。
そして、最大の敵として立ちはだかるNo.01物部は、明確なヴィジョンの元に日本を再構築しようと試みる。
このセレソンゲームを企てた、Mr.OUTSIDEの真意。
それがどんな決着点へセレソンたちを導くのか、その回答がついに出る。


以下ネタバレ。
結果として、実は生きていたMr.OUTSIDEこと亜東才蔵。
リアルなジュイス*14姉妹の登場など、当初はアレ? って思うシーンもあります。
正直、舵を切りなおしたという印象が拭えません。


もう一つ顕著なのが、説明台詞の多さ。
「500円」に関する台詞や、DNA鑑定結果については、台詞にしなくっても充分に伝わるし、むしろその方が自然だ。
DEATH NOTEとかLIAR GAMEとか、そして本作とか、化かしあいを題材にした作品で、余りに「ゆとり」向けの説明台詞が入ると、少し萎える。
映画というメディアは、途中で一時停止することができないし、ネットで検索することもできないから、という理由はあるだろうケド。
ちょっと残念だった。


最終的な到着地点としては、咲のモノローグでも語られたとおり、セレソンゲームが終わってしばらくすれば人々の記憶からは薄れる。
滝沢が選んだ道は、果たして正しかったのか。
……作品としては、アレでいいんだけどね。


個人的には、やっぱりNo.01物部のコンセプトは大賛成なんだけどね。
ミニマムな方法論は別として。


僕にノブレス携帯を寄越せー、もっと正面からスクラップ&ビルドしてやるー(笑)。

*1:--のキャラクター性や声などのモチーフとなったであろう、亜東才蔵の孫娘たち。