ディープ・グリーン(3)

名作「ダークグリーン」の続編。
ディープグリーン」も第3巻。

ディープグリーン (3) MiChao!KC (KCデラックス)

ディープグリーン (3) MiChao!KC (KCデラックス)

ダークグリーンから約二十数年。
R-ドリームを知らない新しい世代と、リュオンが出会ったことで始まる物語。


リュオンは力と記憶を失い。
そして、ホクトは現実世界では寝たきりとなり、夢の中のホクトも行方不明。
前巻では、夢の中の怪物*1に苦戦する舞たち高校生チームの前に、心理学研究同好会の顧問、柴崎先生がかつてR-ドリームで戦っていた頃の力を持って登場。
かつてのR-ドリームを知るものが加わった。


そして、今回。
リュオンとR-ドリームの謎を追う舞たちは、夢の世界に残る「かつてホクトとリュオンがダークグリーンを目指した軌跡」を追って、R-ドリームを、ダークグリーンを目指す。
途中、“老”バローとも遭遇。
現在、ダークグリーンやR-ドリームに起きている災厄を聞く。


うーん。


この世界、人間の心は肉体に支配されているんだなぁ。
植物と同化して“老”になったはずのバロー氏ですら、肉体の老衰で消滅してしまった。
それだと“老”の存在意義自体が、あんまりないような気がするんですが(苦笑)。
最後に加わったバロー博士ですらこの二十年で限界なら、他の“老”は既にいないと見るのが適切だろうが、きちんと代替わりできているのだろうか。
結構、条件がキビシイのになぁ。


さて、ディープグリーンも折り返しぐらいなんだと思うんですが。
やっぱり、最大の関心事項であり懸念は、「どうやって終わるんだろう」ということ。
そもそも「ダークグリーン」が、壮大な、そして現実に起こっている問題に取り組んだせいで「終わらせることのできなかった」作品だ。
物語の結末を描いていない、あくまで読者に問題を委ねる形で終わっているとも言える。
その続編と言うこと自体が、そもそも相当に無理があるんだが……。

*1:ゼルではない様子。少なくともゼルを知っているはずの柴崎先生がゼルとは口にしていない。