サマーウォーズ

少し出遅れましたが、観て来ました。
細田守の「サマウォーズ」。
http://s-wars.jp/index.html


やっぱり、観に行く前の関心事項としては。
島根県にパソコンがあるかどうかぼくらのウォーゲーム」なのか、そうでないのか。だと、思うんですが(笑)。


ちゃんと「ぼくらのウォーゲーム」でした(笑)。


もちろん、キャラクターの設定や背景、そういった事柄は異なるんですが。
物語の構造は、ちゃんと「ぼくらの〜」してました。
その上でまったく逆の展開になるエピソードがあったりして、「ぼくらの〜」を知っている人はより一層楽しめるつくりになってます。
そしてもちろん、「ぼくらの〜」はたった40分の作品でしたが、こちらは2時間以上あります。
原作物ではないということもありますが、OZの説明や各キャラクターの背景を描くには段取りは充分と言えます。

結果から言うと、面白かった。
実にいいエンターテイメントで、前作の「時をかける少女」同様、TV放映でお茶の間の定番映画になるに違いありません。


ただ、正直なところを言うと、演出とか設定周りとかデジモン時代を脱却できていません。
まったくデジモンとは関係ないはずのアバターの新デザインも、演出が似すぎていて、ラブマシーンはビミョウにスサノオモンに見えますし、キングカズマはレナモンがダブります。
そもそもOZの空間が、「ぼくらの〜」時の電脳空間の描写と殆ど変わってませんしね。


また。
前作「時をかける少女」が、SFでこそありますが、その内容は少女の成長物語であり、恋の物語だったのですが。
今度の作品の主人公とヒロインも、一応、恋愛関係に発展しそうな感じではあるんですが、如何せん主テーマは「家族」それから、OZ上で暴れるラブマシーンを阻止する、と言うところがメインで、主人公の成長とかそういう部分はそれほど強く描かれていません。
結果、アクション大作にはなってますが、ドラマの部分で言えば「時をかける少女」には大きく及ばないと言えます。


その最大のネックとなっているのは、本作のヒロイン、夏希です。
学校のアイドル的存在とか持ち上げられてますが、主人公を巻き込む辺りから家族が一致団結するまでまったくダメな女でしかなく、ラストのバトルシーンまで格好いいシーンが一切ありません。
主人公のほうは、ヘタレな主人公と言うことで、ちゃんと成長もするし見せ場もあるんですが、そのパートナーになるべき夏希がどうでもいい存在なので、活きて来ませんでした。


ちなみに、OZのアバターの裏側で何が動いているのか、とか。ラブマシーンの基本ルーチンのパターンとか。
ちゃんと説明できるので、その辺考えるだけで、理系には楽しいかもしれません(笑)。