ハンサムスーツ

ブサイクな主人公・琢郎が、ある日、友人の結婚式に出席するために洋服の青山で出会ったのが、着るだけでハンサムになれる、ハンサムスーツ
ブサイクの人生とハンサムの人生、琢郎はどちらを選ぶのか。

まぁ、この手のテーマは、それこそアメージング・ストーリーとか、そういうジャンルでやりつくされている感はあります。
変身譚の一種。
そもそもが、シンデレラだって、同じ構造の作品と言えます。
ただ、それがこの現代日本では「魔法」ではなくて、テクノロジーの結果と言うことになっているぐらいで。


だいたいにおいて、この手のテーマの作品においては、ブサイクだけれど心は美しい主人公、外見は美しいけれど心は醜い敵方、という対比になっていることが多いのですが、
この作品では意外なことに心の醜い存在が登場しません。
いやぁ、どっちかとうと、ブサイクな外見の主人公らのほうが、心が醜いとは申しませんが、生き方がブサイクだなぁ(笑)。


まぁ、トレーラーなどを見る限り、ネタもよければテンポもよさそうで、「面白いだろう」と思っておりましたが。
確かに面白い。
ただ、ストーリー的なものや、映像的なもののほとんどが予想の通りで、予想を上回る意外性、みたいなものはありませんでした。


この手の作品を見ると、無駄にブサイクに希望を与えるようなエンディングになっているワケですが。
冷静にこの作品を見てみると、実はハンサムな人間は生き方も余裕があってハンサムだし、ブサイクな人間のほうが心が弱くって生き方に間違いなくブサイクなところが含まれます。
僕らブサイク畑の人間は、表面だけ受け取って、安易にポジティブにならないようにしよう。
それこそがブサイクな生き方だから(苦笑)。