名探偵はもういない

〈あかずの扉研究会〉シリーズ、〈霧舎学園ミステリ白書〉シリーズで、ポスト「金田一少年の事件簿」のポジションを標榜する霧舎巧の原点に当たる作品。
……らしいです。

前述の二つのシリーズ、それに既刊の「霧舎巧傑作短篇集」や「新本格もどき」、いずれも同じ世界に存在してリンクしているわけですが。
本書は、当初、リンクしていない作品なのかなー、と思ったんですが。
登場人物に「後動」姓のものが居たりして、どうやら既存シリーズの過去に位置する作品になっているようです。

うーん。
長編で、「読書への挑戦」があって、そして探偵が複数登場して推理合戦が話のメインになるあたり、確かに霧舎作品らしいんですが。
ナンというか、クセがあるワリに大味な印象。
この、ペンションに人が集まる理由って、何か有名な作品であったような気がするんですが、パッと思い出せませんなぁ。

個人的には、わざとらしいほど少年漫画的スタンダードを狙った〈霧舎学園ミステリ白書〉シリーズがやはり霧舎巧を楽しむにはいいと思いますなぁ。