大決戦!超ウルトラ8兄弟

……ある種の話題作。怖いもの見たさです。

ああ、一応、メビウスの映画なんですね。
いきなりどっかで観たシーンだなぁ、僕、この映画見たんだっけ? と思ったら、「ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟」からの回想というか引用でした。


それにしても……
メビウスのヒロイン体質にはビックリだよ!(笑)
前作「&ウルトラ兄弟」に続いて、また拘束されてますよ(笑)。
まぁ、ウルトラ兄弟の末っ子だし、他の全てのウルトラマンを「兄さん」と呼ぶキャラクターだから、それもアリと言えばアリなのか……(笑)。
あんまり展開が同じすぎて、ちょっとは脚本考えろよ、と言いたくはなりますが。


さて、そんなメビウスの続編であると同時に、本作品の主人公はダイゴになっています。
そこがまたビミョウなところで。
舞台はウルトラマンが実在しないパラレルワールド
ダイゴ、アスカ、我夢の三人はフツーの社会人で幼馴染。
近所には、ハヤタ、ダン、郷秀樹、北斗らもごくフツーの人間として暮らしている。
だが、ダイゴは自分がウルトラマンである幻視を見るようになり……彼の前に、ウルトラマンを探す青年、ヒビノ・ミライが現れる。


ショッキングな設定だが、なかなか興味をそそる。
SFチックなこの設定を、どう料理するのか……


まぁ、その本編はさておいて(笑)。


全体の整合性が完全にイマイチである。
例えば冒頭、子供の頃のダイゴ、アスカ、我夢が初代ウルトラマンのTV放映を心待ちにしているシーンがある。
どう考えても何丁目の夕日かという映像だ。
でも物語の舞台は、横浜開港150周年記念イベントが開催されている年。つまりこの2009年だ。
三人の本作品での設定が何歳かは知らないが、30歳を大きく過ぎることはないだろう。
ということは、子供の頃のシーンはせいぜい1970年代半ば。
ウルトラマンの放送開始は1966年だ。
また、この僕らの世界と同じ「ウルトラマン」を観ていたのなら、そのヒーローの名前はハヤタであるはずだが。
同姓同名で同じ顔の隣人には違和感を抱いていない。
チグハグである。


そもそものコンセプトである、昭和と平成のウルトラマンの競演。
宇宙からやってきたウルトラ兄弟たちと、古代地球の戦士であるティガ・ダイナ、更には地球の意思が顕在化したガイアが同一に並ぶこと自体は……
まぁ、ファンサービスとして好ましく受け止められる。
特に、スタッフの昭和ウルトラマンに対する愛情は良く分かった。
だが、その半面で平成ウルトラマンの扱いがビミョウな点が気にかかる。
もちろん大人の事情もあるのだろうが。
我夢はあまり恋愛フラグの立たないキャラで、アッコがヒロインというイメージはない。逆にくっついているのがビックリだ。
ダイナのヒロインは、山田まりや演じるマイだったはずだし。


その他、赤い靴の少女の正体がまったく導かれていない。
ウルトラマンがいない世界のM78星雲に行って、どうしようというのか。
など、勢いに任せた感が否めないところもある。


良くも悪くもお祭り作品。
本編とは別物と考えたほうがよさそうだ。