神曲奏界ポリフォニカ

ポリフォニカ、今月は3冊。
まずは、クリムゾン最新刊。

学生編クリムゾンSではないものの、時間軸で最新のエイディング・クリムゾンの流れではなく。
そこから少しさかのぼった昔の話。


というか、第1期アニメのDVDに特典で付いていた短篇6篇をまとめたもの。
このため、殆どが息抜き的な、ちょっと面白い短篇になっている。*1
その最たる例が、“屋根裏の散歩者”エルベリオ・エルマ・パパラチアン絡みの一篇だ(笑)。
エルベリオはアニメオリジナルのキャラクターなので、アニメを見ないとわからないわけなのだけれど。
その辺りアニメオリジナルの部分も、今後の短篇集で書き下ろすらしい。*2
この6篇は本当にまとまりがよく、読みやすい。アニメしか知らない人にはぜひ薦めたい一冊だ。


続いて、銀ことダン・サリエルの2冊目。
こちらも短篇集で、4篇が収録。

神曲奏界ポリフォニカ ダン・サリエルとイドラの魔術師 (GA文庫)

神曲奏界ポリフォニカ ダン・サリエルとイドラの魔術師 (GA文庫)

きわめてコメディチックな2篇から始まり。
3話目の表題作は、ダン・サリエルのかつての相棒が登場し、音楽観の違いや業界の厳しさなんかが明らかになるちょっとハードなお話。
とは言えまぁ、人死にが出るような話でないので、その辺は救いかも(笑)。
ダン・サリエルシリーズは間違いなく面白いんだけど……
今回は、同時刊行が悪かったなぁ。クリムゾンの中でも珠玉の短篇集と、そしてこの一冊と一緒じゃ。


最後の一冊。
〈レオン・ザ・レザレクター〉シリーズの4冊目、最終巻。

最終巻と聞いてビックリする向きもあろう。
とは言え、今後、ポリフォニカの世界にレオンが出てこなくなる、という話ではない。


……まぁ冒頭、前巻での殺しで裁判にかかって、2300年の禁固刑で刑務所に放り込まれますが(苦笑)。


いやまぁ。
このシリーズ、あんまり正義とかとは無縁の活躍の仕方してますからね(笑)。
自業自得なんですが。


表紙を見ればわかりますが、トライアングル・ブラックの最後に言及された「三年」がここで経過します。
そして、レオンの過去や、これまで契約楽士をとっかえひっかえしてきた理由が、とうとう明かされます。


正直。
そう来たかぁ……
唸りました。
神曲奏界ポリフォニカ
精霊と人とが共存する、この物語は、結構、底が知れない。


刊行ペースは、明らかに学生層にはキツそうだけど(笑)、社会人にはこのぐらいはナンてことはない。*3着いてくぞー。

*1:もちろん、それだけじゃなくて。真面目な仕事の話もあり、「ぱれっと」で三田誠が描いたようなレンバルトの内心を吐露した一篇もあったりはする。

*2:ま、エルベリオに関しては「まぁぶる2」でちょっと言及はされているので、少なくともそこよりは前の時点ということはわかっているのだけれども。

*3:本棚のスペースの問題はありますけどね。