仮面ライダー十年期

先週、仮面ライダーキバが終わりました。
大フィーバーした電王の後を継いで始まり、過去と現在を平行して描くと言う構成のために、個々のパートが短くなり、当初は役者の習熟が遅れるのではないかとか、物語を書ききれないのではないかとが危ぶまれましたが。
過去と現在、愛の物語を見事に、叙情的に描ききってくれました。
流石は大ヴェテラン、井上敏樹御大。*1


仮面ライダーキバの素晴しかったことは、結果として、悪人が存在しなかったことです。*2
イヤーな性格で始まった渡も音也も、それぞれの愛を見つけ出すことで成長し、一人の女だけではなく誰かを愛することのできる「男」に成長しました。
ある意味すべての元凶の真夜、そしてキング。
悪女に見えた未央、悪役の立場を背負わなければならない大牙。そして最後に悪役を勤めたビショップ。
いずれも、ファンガイアとう異形でありながら、人間以上に人間くさい心の弱さ、そして善意から動かざるを得なかった。
それがきちんと描ききれている、スバラシイ作品でした。
ラストが、いわゆるコミカルな落としになっているんですが、それを抜きにしても、随分と清涼感のあるエンディングになったと思います。
その一番の立役者は、僕は大牙の性格によるものだと思いますが。
この人が、強がってはいるけれど本当は愛に飢えた甘ちゃんでなかったら、物語は凄惨なものになったと思います。


電王は、面白くなるべくしてなった作品なので、DVDも全巻買っているし、映画も何度も行ったし、ナンバーワンでオンリーワンだと思うのですが、このキバもこの終わりを迎えたことで、最初の不安感から見なくなったと言う声もちらほら聞きますが、絶対に全話見て、評価されるべき作品になったと思います。


そして、ディケイド。
うわー、ホットスタート。なにこのスーパー仮面ライダー大戦。
見るしかねぇ!(笑)


平成ライダー9作品をパラレルな世界と設定し、世界の破壊を免れるために、9つの世界を巡り9人の仮面ライダーと出会う。
新ライダー、ディケイド。
文句なしに格好いい!
最初、顔のバーコードやピンクのボディはどうかと思ったワケですけど、それもまぁいつものこと。実際に動けば、高岩マジックで格好よく見えるわけです。
しかも、今回は他の仮面ライダーにフォームチェンジできる、というギミックがあり。第一話にして、クロックアップしたワームに対抗するためにカブトに、オルフェノクを滅ぼすためにファイズに、群れを成す魔化網を倒すために響鬼にフォームチェンジします。
畜生、文句なしに格好いい。


そして、渡こと瀬戸康史が「謎の青年」としてディケイドを先導し。鏡の向こうには、何故か龍騎の姿が。*3
期待が膨らみます。


しかし、このディケイド/門矢士、それを演じる井上正大。ヒロインの光夏海を演じる森カンナ
この2人がイイ!
何がいいかというと……
士は久々に見る、大概なダイコンなわけなんですけど(笑)、キャラクターの性格とあいまって許せます。それに何より、顔がよくってスタイルがいい。
この2人、本当にディケイドという作品には欠かせない絶妙なキャスティングだと思うのですが、それは顔や造作の問題。
士は、過去の主人公やライダーに変身した男に似ていると言えば似ているように見える、たっくんや渡。蓮に北岡弁護士、葦原涼、いやしょーいち君や始さんにだって面影があると言えば、あると見える。
同じことは夏海にも言える。ひよりにも真理にもハナさんにも似ていると言えば似て見えるし、広瀬さんや真魚ちゃんや優衣ちゃんのイメージもある。
10作品を束ねるディケイドという作品、この2人がいなければ成り立たないのではないかと思う絶妙なキャスティング。
今年は本当に楽しみだ。

*1:正直、過去に名作あれど、ファイズの後半のグダグダ。響鬼の交代劇と言うエピソードのせいで、個人的には井上敏樹は終わった、と思った時期もありましたが。キューティーハニー THE LIVE、そしてこの仮面ライダーキバとその実力を遺憾なく見せ付けてくれました。

*2:ファイズ草加君とかスパイダーオルフェノク澤田とか、ヒビキのキリヤ君とか意味不明で芯のないキャラクターが続いたのが残念だったのです。

*3:第一話の段階で、「本当の」仮面ライダーが姿を見せているのは、この龍騎だけです。