ブルースカイ

GOSICKシリーズや、最初の頃の二三の作品は読んでいたんですが、桜庭一樹が直木賞を取ってしまったので、ナンかミーハーに乗せられているようで、手が伸びなかったんですが。
手持ちの本が切れて、復刊モノを買うか、本書を買うかで、悩むことなくこちらを選びました。

ブルースカイ (ハヤカワ文庫 JA)

ハヤカワから刊行されていますので、ＳＦです。
ＳＦには少なくとも、ギミックがＳＦであるものと、マインドがＳＦであるものが存在すると思います。

本書は、最初ギミックであると見せかけ、中盤マインドをチラ見せします。
そして、桜庭一樹の作品では、「砂糖菓子の弾丸は〜」や「少女には向かない〜」のように、本書でもテーマは「“少女”という生物」です。
その“少女”というイキモノは、第二部で登場人物の論として描かれています。
少女に始まり、青年が経由し、老人に向かう。その時代を牽引する、歪で満たない存在であるところのそれらのイキモノは……じゃあ、どうなのか、という部分がちょっとスルー気味。
いや、一応、ああ言う結末を迎える、というところに意味はあるんだと思うんですけどね。
気持ちとしては投げっぱなし感がちょっとあります。

しかし、それにしても、これを読んでいる途中で何度も、誰の本を読んでいるのかわからなくなりました。
すごく恩田陸の作品と印象がかぶります(笑)。