冲方丁のライトノベルの書き方講座
- 作者: 冲方丁
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2008/05/12
- メディア: 文庫
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うーん。
単行本で買わなくて良かった。
いや、大判の単行本のほうが良かったのだろうか。
冒頭で冲方丁の主張として述べられている、「“書き方”っていうのは、オエライ先生でなくては書いちゃいけないのか。ケーススタディとして、一人の作家の過程を公開して共有することに意味はないのか」という論説はごもっともだと思います。
しかし……その結果、口述筆記なのかナンなのかわかりませんが非常に飛ばしすぎてまして。
「マルドゥック・スクランブル」「カオス・レギオン」「蒼穹のファフナー」の三作品を題材に使っているのですが。
……その三作品のファンでないと、何がなにやらさっぱりわかりません。
SF者のハシクレとして、「マルドゥック・スクランブル」は読んでいたので、そこは付いていけたのですが。他の2作品はさっぱり。ゲームもアニメもやりませんので。
その辺の作品に関する「○○という風に考えたから、結果△△になった」の「△△」の部分が省略されちゃっているので、まったく意味不明な妄言の羅列に見えちゃいます。
なので、ライトノベルを書きたい人向けのマニュアル、というよりは冲方丁のファンブックととらえるべき。
すくなくとも「技術論」ではないので、この飛躍の部分が感性的に共感できなければ役に立たないと思います。そういう人は大塚英志の本を読むのがよろしいかと……。
……大塚英志の名前がやたらに出てくる日だなぁ(苦笑)。