ゲームブックを遊ぼう

開会式の中で、5分以内の簡単なコラムというか、広い意味でのゲーム解説なんかを、というコーナーを考えており。今回はその第一回。
名前もまだありません。
その日はやらないけれども、知って欲しいゲームの紹介をする、なんかの用途に使おうと思っております。


今回は、そういう意味ではイレギュラーになっちゃいますが、今回のテーマは「ゲームブック」です。

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今回、最古参のRPGが復刻いたしました。
T&Tです。
T&Tの解説は、また次回以降に回すとしますが、この作品を語る上で、特徴的なのは、ソロアドベンチャーという形態が非常に人気を博したことにあります。
今回、そのうちの一つ「傭兵剣士」も復刊しております。
トンネルズ&トロールズ 第7版 リプレイ&ソロ・アドベンチャー 傭兵剣士 (Role&Roll Books)
この、ソロアドベンチャーというものは、別名アドベンチャーゲームブックとか、単にゲームブックとも呼ばれることもある書籍で、作品はこのようにパラグラフごとの無数の文節でできています。
読者は、これを自分の望む選択肢の順番に読んでいくことで、マルチに分岐する物語が読めるわけです。
いうなれば、弟切草なんかで有名なデジタルノベルのアナログ版だと思っていただければよいと思います、もちろん順番は逆ですが。


日本では、RPGのロードス島戦記に影響を受けた第二世代目が入ってくる頃、1985年から1990年にかけて流行しました。
外来の名作では「ソーサリー」4部作、ブレナンの「グレイルクエスト」なんかが上げられます。後者は当時は「ドラゴンファンタジー」という邦題で出版されていました。まぁ、聖杯探索なんてものが今ほどメジャーでなかったんでしょう。ちなみに、聖杯探索をするわけではなくアーサー王の円卓の騎士たちの出てくる、モンティパイソン的なスチャラカ冒険譚になっております。
「14へ行け」なんて言葉を聞くのは、この作品の影響です。


話が逸れましたが、国産からも双葉社青背ファミコンシリーズなんかは1冊ぐらいは手に取った方もいらっしゃると思います(会場で幾人か頷く)。
スタージョンの法則どおりに駄作もたくさんありしたが、傑作と呼ばれるものも生まれました。
よく言われるのが、思緒雄二の「送り雛は瑠璃色の……」と、鈴木直人ドルアーガ三部作です。
昨年末、このドルアーガも無事に復刊いたしまして。
悪魔に魅せられし者
これまで、ナムコの許可が下りずに固有名詞が使えず、名前がパチモン仕様になって復刊するとか、噂は耐えませんでしたが、そんなことはありませんでした。
「送り雛〜」の方も、同じ創土社さんから復刊されています。
まぁ、というか、ゲームブックで頑張っているのは事実上創土社さんだけのような状態ですが、実はゲームブックファンも見逃しているような傑作も、最近は出ています。
もう一昨年前の作品になりますが、Web Radio幻想時間で取り上げたタカラのブングサーガという玩具。これについていたアドベンチャーノートは、パラグラフ数は2桁と少ないものの、双方向ありフラグ管理ありと実に良くできた作品でした。


そして、今年、私がゼヒにと押したい一冊がコレ。

遙かなる時空の中で 舞一夜アドベンチャーブック」です。
(会場:何故、それを持っている〜)
実に素晴らしい作品です。
全ての恋の物語がここにつまっております。まぁ、僕の好きなキャラクターの攻略ができないのが非常に口惜しいのですが(笑)。


ゲームブックというものは、こんなものです。
ぜひ、興味を持ったら一冊手に取ってみてください。