妖精の復活

えー、WoDのチェンジリングが訳されたらいいな、とかそういう話ではありません。
訳されたらいいな(苦笑)。
せめて、新版に移行する前にハンターとチェンジリングだけでも出てくれてればなー。ワーウルフもメイジもサプリメントが出ないのに、それは無理な相談。


そうじゃなくて。


嬉しいニュースが入った。
http://www.astromidget.com/cgi/ndnote/newdnote.cgi
かつてBANDAIでリリースされていたガシャポン・シリーズの一つ。ベータミゼットが再販売されることになった。


ベータミゼットは、ミゼットワールドということで、江成恭介が展開するバックボーンを持った玩具。
http://buddiez.jp/kemusume/midgetworid/index.html
簡単に言うと、廉価版ミクロマンという感じだ。
ある日、書店店頭のベンダーでひと目あったそのときから恋に落ちた(笑)。
まぁ、熱しやすく冷めやすい僕なのだが、どういうわけかこのベータミゼットには愛着がある。
マイナーっぷりが身に染みるのかもしれない(笑)。


まぁ、微妙といっては微妙な作品だ。
第一弾の主役級のサラマンダーは、どこからどう見ても、アニメにもなったミクロマンの主人公にしか見えない。
ジャケットシステムは聖闘士星矢天空戦記シュラトを髣髴とさせる(台座にセッティングするあたり、特に)。
ベータミゼットはサラマンダー、ウンディーネ、ノーム、シルフィードと四大精霊になぞらえられているが、色に統一性がなく、ウンディーネシルフィードは区別が付かない(どっちも白と青だから)。
有形ブロックを標榜するには、ジョイントやボールジョイントのサイズがまちまち(ボールが5mm、4mm、3mmとバラバラ、ジョイントは5mm、3mmの切れ込みアリとナシ、2.5mmとやはりバラバラ)。
また、「想い」がミゼットを生み出す、というネタは妖魔夜行の二番煎じ。以前のデザイナーズノートの記述を見るに、この作者はRPGの経験があるようなので(文章などから見るに、31〜33歳ぐらいのロードス島リプレイ生まれの世代と見た)妖魔夜行を知らないとは思えない。
さらに、ミゼットが手にした玩具の武器などを、実物に換えるリアライズ能力などは、百鬼夜翔の「水色の髪のチャイカ」のチャイカらジュンモータルの持つナノ・トリートの劣化版。
ちなみに第一弾が出る数ヶ月前にチャイカは刊行されている。
比較しては悪いが、山本弘の「水色の髪のチャイカ」の作中設定が恐ろしくしっかりしていただけに、平凡に感じる。
などなど、ツッコミどころは山のようにあるのだが……だが、それがいい、って感じすらしてくるのは贔屓目か。


第三弾を最後にまる2年以上。
一説にはキャラクター物ではない商品に、ベンダーを持つ小売店が食指を伸ばさなかったとのこと。確かに、コンビニの食玩入荷などでも同じと聞く。
僕は辛うじて第三弾を入手できたが、入手できなかった人も多いらしい。
その後、作者自らイプシロンと名づけた新型を、金型から作り、ネット上で販売しているようだが、送料など含めると価格が1体1000円以上かかり、BANDAIの商品ですらアレだけ不具合があったのに素人の商品で大丈夫かという心配もある。
また、イプシロンに関する設定などもリリースされないことから、僕のような設定面やストーリーから愛着を抱くタイプには食指が動かなかった。
今回、復活に際してはBANDAIの金型を使った自主生産ということだが、ラインはBANDAIのものを使えるのだろうか。素材の選定からBANDAIのラインでないと、心配は消えない。
また、メニュー的にしょうがないのだろうが、フィーメールとラルヴァ(敵)のセットというのは残念だ。
個人的にはシルフィードのハンサム君が欲しかった。
イプシロンでフィーメールが新造できない穴埋め、という意味合いもあるのかもしれない。
それにしても……個人的には、商品点数から見ても、敵を出すのは早すぎたんじゃないかと思うのだけれど。
僕は聖闘士星矢世代だけに、ジャケットに魅力を感じていたので、もっと素体やジャケットの数を増やしてからでも良かったような気がする。
少なくとも、マイパートナーを見出すにはバリエーションが少なすぎた。


発売が終了して、既存のファンサイトが次々に閉鎖し、またはベータミゼットの取り扱いをやめ、当初のファンサイトのうち残っているのは2〜3となった。
ここに来て、また自作派の方々を含めてファン活動が再燃しているようだが。この火が、どうぞ消えないように。ささやかだが祈りたい。


何しろ、妖精は忘れられたら消えてしまうのだから。