ヴァージョンアーップ

うーん。
書くことが尽きたぞ(笑)。
ホントはサイトの下書きも兼ねる予定なんだから、RPG紹介なりファッション関係なり、企画物関係なりの記事を書けばいいんだろうけど。
ナンか……タイミングがね(苦笑)。


[bk1はこちら]
そうそう、ガープス第四版のキャラクターが出たようですが……当分買うの見送り。
キャラクター、キャンペーン二分冊の片方だけだし。
それに、そもそも僕はRPGの版上げというものそのものに反対派だしね。成功したのってホント数えるばかりで、失敗例のほうが多いと思う。特にSNEの作品はSWといい央華封神といい、版上げ後に展開が収束することが多い。
辛うじてゴーストハンターが成功例かもしれないけれど、それってアスペクト版の成果がヒド過ぎただけだし……結局、富士見からリプレイの2巻も出させてもらっていない辺り、推して知るべし。


思えば、ウィザードリィ→真・ウィザードリィ辺りは好きだった。
ズダイ・ツァは、当時まだ正当派ファンタジーが好まれている時代に傾き過ぎた印象がある。
ウィザードリィ原理主義者みたいな人たちもいた時代だし。
今ならね、「ウィザードリィ・エクス」みたいなのがある時代だから、大丈夫だと思うんだけど。
あ、そういえばホビーベース(イエローサブマリン)から旧版が再販されていたんですが、旧版持ってるし。版権の関係で固有名詞が使えず、バッタモンみたいな名前になっているウィザードリィなんて見たくないからなぁ……


版上げでの成功例というと、F.E.A.R.の作品が幾つか思い浮かぶ。
トーキョーN◎VAブレイド・オブ・アルカナ、セブン=フォートレス、ダブル・クロスなんか、どれも版上げ後に盛り上がっているタイプだ。
もっとも、僕はBoA、DXはともに第一作が第二作に比べてあまりにボリュームがないため黙殺できるから(しかも、同内容のサプリを出しなおしているし)支持するけど、N◎VA、S=Fは版上げが頻繁で、情報が混乱し、マニアのためのゲームになっているのを見るにつけ、やはり版上げは反対だな、と思ってしまう。


N◎VA、S=Fにせよ、前述のSWや央華封神、それからSNE関連だとガープス妖魔夜行百鬼夜翔なんかもそうなんだけど、極めてシンプルなパターンにはまってしまっていると思う。
即ち、作り手が自分を基準に考えてしまい、自分の知っていることをユーザーが知っていると考えてしまうことだ。
SWなどはそれが顕著で、文庫版から完全版への移行は、目新しい何かがあったわけではなく、魔法の拡大や重ね掛けなど解釈が別れトラブルが多かったところを頭打ちし、ルールを増やし、複雑化させる、という形をとってしまった。
SWの最大の魅力が、そのプレイ・アビリティの高さにあったにもかかわらず、である。
同じことは百鬼夜翔にもそのまま当てはまる。確かにガープスは、いやRPGというのはプレイグループごとにルールを取捨選択するのが本来の姿であろうが、それにしたって限度がある、というのが百鬼夜翔
もっとも、僕の周囲での百鬼夜翔の最大のボリュームダウンは、小説の執筆者層が代わり、また設定・展開ともに妖魔夜行よりもはるかに魅力がなかったことが原因ではあるが。


そうそう、ロードス島戦記RPG(ロードス島戦記コンパニオン収録)から文庫版のロードス島RPGへの版上げは、コンセプトとしては成功だったのではないか、と僕は思っている。
基本的な骨子は変わらず(もちろん、データ面の変化はあるけど)、特技ルールと上級職へのクラスチェンジという誰もが喜ぶパワーアップ要素を詰め込んだ。
ただ、惜しむらくは、出るのが遅すぎた。
あと2〜3年早く出ていれば! そう思ってしまう。
既にロードス島戦記の人気も衰えて、かつてのユーザーが新しいゲームに目移りしている時期での発売は、分が悪かったと思える。


特に、今回のガープスは、版上げで大コケする可能性が高い。
もともと、本国でのガープスの人気はサプリメントの豊富さに支えられていると言って過言ではないだろう。翻訳前の風評では、やはりそういった点が期待されていた。
ところが蓋を開けてみれば、ルナル、妖魔夜行の日本語オリジナルの展開は一応の成功と見ても、その反面、マジック、サイオニクス、サイバーパンク、マーシャルアーツと言った基礎サプリメントもこれだけにとどまり。
コクーン、リング☆ドリームはほぼ支持者を得られない有様だった。
後に、担当部署が富士見書房に移り、完全版の発売、それに前後してドラゴンマークの新展開を試みるが、これも泣かず飛ばず。
マジック完全版、マーシャルアーツ完全版、グリモアの翻訳。パワーアップの日本語オリジナル、で打ち止めとなった。
そして、時を置いての第四版である。


正直な話、尻つぼみとしか言えない。
マーシャルアーツ完全版、グリモアと、マジック完全版の半分のページ数しかないにもかかわらずより高値が設定されているのも、それだけ売り上げが見込めないから、という見方もできる(もちろん、底本があるベーシックやマジックは安価でできる、という見方もある)。
ガープスは、クローズドメンバーで、じっくり長くやることで味の出るゲームである。
文庫版のユーザーが完全版に着いて行かなかった。あるいは、文庫版ならばメンバー全員が所有していたが、完全版は一冊で充分と思われた。
それが実態であろうと思う。
互換性のある、文庫版と完全版ですら、この有様。果たしてこの荒れた土壌に、基本ルールだけで1万円近くかかる第四版をリリースして、根付くのだろうか。不安に思う。


僕は縁あってガープスをプレイしてきた。
好きなゲームと言って五指に入る。
だからこそ、無理な版上げで土壌を荒らし、これ以上のユーザー離れを招かないで欲しい。
本国の展開はさておいて、ここは第三版を貫くのが良作ではないかと思うのだけれどなぁ。