キャラクターシート

先月ぐらいのことなのだが。
コンベンションを前にして、さあ、シナリオでも作るか、と考え始めたころ。
昔と違って、四六時中シナリオのネタをストックすることもなくなっていたし、何かから触発されてすぐにシナリオを作ろうという流れになるような情熱ももはやどっかに消え去っていたので。
それはもう、まるで小学生が宿題をやろうとするように、とりあえず机に向かってみました(苦笑)。


まぁ、僕の場合、シナリオを作るという行為は「誰か」のためにやっていることが多いので、その「誰か」が見えない今は、シナリオ作りの欲求が生まれなのかもしれません。


それはさておき。
そんなこんなで、シナリオどころか、何のゲームをやるかも定まらず。とりあえず、ルールの再確認やら把握やらをしようと、ゲヘナ、六門世界、クトゥルフd20、アリアンロッドダブルクロスサタスペガープス・ユエルとキャラクターシートを何枚かずつコピーしてきました。
まずキャラメイクでもして考えよう、と。


そうして思ったのは。
SNEのキャラクターシートはつまらないな、ということ。
いや、むしろF.E.A.R.キャラクターシートに力を入れているんだろう、とは思うんですけど。
自社編集だからデザインに拘れるF.E.A.R.と、あくまでWordで作ったようなSNEのキャラクターシートでは、見栄えが違う。
でも、本当の問題点は、そういう外見のことじゃないんです。


僕は、キャラクターシートは、そのゲームの顔だと思っています。
いいゲームというのは、キャラクターシートを広げれば、そのゲームがどんなゲームなのかわかるべきだと思っています。
今回見て思ったのは、いわゆるF.E.A.R.のゲームはそれができている。SNEのゲームはできていない、ということです。


僕が、こう思い始めたのは理由があって。
あれは高校生の頃です、その頃ゲームをやっていた面子で、まぁ元々ゲーム初心者だったんですが、とにかくルールを覚えられない子がいました。
当時付き合っていた相手だったんですが。
思えば、多分ゲームに興味はなかったんでしょうね*1
彼女はSWの2D6を基準値に加える判定と、レーティング表を見る判定が、何度やっても、何度説明しても覚えられませんでした。
そこで、僕は、彼女のキャラクターシートの各数字の横に「+2D6」とか、レーティング表に矢印を引いたり、蛍光ペンで色分けしたりして、ゲームが停滞しないように勤めました。
あと、GMとして彼女の数値だけは常に把握しているようにしたのはナイショです(笑)。
そうして思ったのです、本当にいいゲームというのは、キャラクターシートを見れば内容がわかるゲームなんだ、と。
その前後でオリジナルRPGを作ったこともありましたが、そういうデザインを心がけていました。


考えるに。SNEの作品として、SWはこれが出来ていた部類に入ります。当時の風潮からするとピカイチでした。
副能力値を記入して、見たとおりに足し算をすれば能力値が算出でき。
決まった数値の通りに装備欄に記入すれば、各判定に使う数値がわかる。
レーティング表を書き写す、という行為は、昔から反対意見も多くありましたが、自分の使うレーティングを把握させる、という意味ではいい作業だと僕は思っています。
ところが、ゲヘナや六門世界はこれができていない。
ゲヘナは闘気チットを始めとして、キャラクターシートに書かれていないことが多すぎますし。
逆に六門世界は、ずーっと先の成長規則まで書かれていて(しかも無駄の多い書き方で)画面として見苦しい。


その正反対に、F.E.A.R.系のダブルクロスなどは、キャラクターのシンドロームを決める、ワークスを決める、能力値が決まる、エフェクトを書き出す、と流れが表現されており。
また、侵食率やロイスなど、ゲームの進め方が、見ればわかるようになっている。
実によいキャラクターシートだと思います。
第四世代型RPGは、ただでさえ二重構造の、パっと見とっつきにくいゲームですが、F.E.A.R.という会社は、それをキャラクターシートや、付属のシートで補っています。


また、最近では無限のファンタジアなどもよくできたキャラクターシートになっています。
残念なことに、こういった観点から、マイナス点になるキャラクターシートを出し続けているのはSNEだけなんです。
決してゲーム自体が面白くないわけではないのに、もったいないと思います。


要素を整理し、構造的に並べ替える、というのは理系の才能の一つです*2
格下の仕事、と思われるかもしれないけれども、キャラクターシートだけでも、清松みゆき氏に手を入れてもらえれば、いいのになぁ、と思ったりするのです。

*1:それを学習して、それ以降、付き合っている相手をRPGに誘うことはしなくなりました。説明すらしておらず「男同士の趣味の活動」とか言っていたりします……未だに(苦笑)。

*2:その証拠に、文型ゲームを標榜していたブルーフォレスト物語キャラクターシートは、流れが縦になり横になり、実に散漫なキャラクターシートでした。