劇団俳協『ZIRAIYA』

12/7〜12/13、TACCS1179で開催されました劇団俳協の舞台『ZIRAIYA』を観てきました。
http://www.jade.dti.ne.jp/~ghaikyo/gek/honkouen/ziraiya%20hp/


以前、スネークアイズのイベントでもお世話になっている石川順さんの出演。


原作は、ご存知山田風太郎の「自来也忍法帖」。


もともと、こちらの劇団は立ち上げ当初はニール・サイモンやレイ・クーニーみたいな笑劇が多めだったんですが、最近は現代が舞台の重い作品が多くて、私個人としてもエンターテイメントへの回帰を期待していたんですが。
今回、これまでの作風を大きく塗り替えてきました。


今回のテーマは、「殺陣とダンスのエンターテイメント」。


それに恥じない作品でした。
山風のマンガ的な世界観を、黒をベースに赤や紫などを差したセクシーなくの一の装束。
伊賀の四人衆は、パンク・ロックヴィジュアル系と、現代のテイストを取り入れてエキセントリックに。
方や、自来也は伝統的な白装束で揃えるも、仮面はヴェネツィア風というかファントム・オブ・ジ・オペラ風、と。
実に良いデザイン、良い演出。
そして、スピード感のあるアクションの連続。
ミュージカル仕立てのシーンのみならず、忍法の演出としてのくの一のセクシーなダンス。
看板に偽りなし。


そして何より、自来也の正体を隠したミステリ仕立ての部分。そして、その正体に絡むファンタジー王道のエンディング。
良作でございました。
まぁ、山風の忍法帖なので、ネタにエロが満載なのはどうしようもないんですが(笑)。
その点を除けば、万人に見せたいエンターテイメントという印象を受けました。


そして、特筆すべきは。
俳協さんの場合、ステージのセッティング、キャスティング、芝居の傾向など、写実的なコトが多いんですが。
今回、メインキャストどこの淺川氏に老婆を演じさせるなど、実に意欲的な作品だったと思います。
次回作が楽しみです。


……ただ、いつも公演の時期は間が悪いんだよなぁ。*1

*1:花粉症の一番キツイ時期とか、連休直後で休みが取り難いときとか。