シュガーダーク

6年ぶり4作目のスニーカー大賞受賞作。
その冠に惹かれて、久々にライトノベルの新作を購入。そういや最近は新しい作家を開拓とかしていないしなぁ。*1

なるほど。
確かに、大賞をとるだけのことはある。


ライトノベル作家の中でも文章がキレイだ。
語彙も面白い。
そして何より、雰囲気がいい。
特に序盤、この世界のダークな雰囲気が、タニス・リーを髣髴とさせた。
主人公やヒロインの立ち居地も実に雰囲気が出ている。
もっとも、彼らの思考パターンやその後の関係は、ちゃんとライトノベル的で、その点からすると非常に読みやすい。


冤罪によって“共同墓地”の墓掘りを命じられる少年。
そして、墓守の少女。
そして、そんな二人を中心に、セカイの真の姿などが浮き彫りにされる。
実に教科書的なセカイ系小説でもあります。


文体や文章もいい。章の切り返しも上手い。発想や雰囲気はなお良い。
ただ、個人的には、このラストはビミョウかも。
ハッピーエンドといえばハッピーエンド。セカイ的には何も解決していないアンハッピーエンドといえば、アンハッピーエンド。
この作品としてはちょうどいい位置なんだけど。
個人的には、もう一つ、裏切ってほしかったなぁ。これ以上ナニを望むのかと贅沢な意見だけどねぇ(苦笑)。

*1:TRPG関連を除く。後は、昔から読んでいるシリーズや、昔から応援している作家の新作などだけ。ライトノベル以外は新人作家とかもチェックしているんだけどなぁ。