シュガーダーク
6年ぶり4作目のスニーカー大賞受賞作。
その冠に惹かれて、久々にライトノベルの新作を購入。そういや最近は新しい作家を開拓とかしていないしなぁ。*1
- 作者: 新井円侍,mebae
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2009/11/28
- メディア: 文庫
- 購入: 8人 クリック: 551回
- この商品を含むブログ (132件) を見る
確かに、大賞をとるだけのことはある。
ライトノベル作家の中でも文章がキレイだ。
語彙も面白い。
そして何より、雰囲気がいい。
特に序盤、この世界のダークな雰囲気が、タニス・リーを髣髴とさせた。
主人公やヒロインの立ち居地も実に雰囲気が出ている。
もっとも、彼らの思考パターンやその後の関係は、ちゃんとライトノベル的で、その点からすると非常に読みやすい。
冤罪によって“共同墓地”の墓掘りを命じられる少年。
そして、墓守の少女。
そして、そんな二人を中心に、セカイの真の姿などが浮き彫りにされる。
実に教科書的なセカイ系小説でもあります。
文体や文章もいい。章の切り返しも上手い。発想や雰囲気はなお良い。
ただ、個人的には、このラストはビミョウかも。
ハッピーエンドといえばハッピーエンド。セカイ的には何も解決していないアンハッピーエンドといえば、アンハッピーエンド。
この作品としてはちょうどいい位置なんだけど。
個人的には、もう一つ、裏切ってほしかったなぁ。これ以上ナニを望むのかと贅沢な意見だけどねぇ(苦笑)。