トンデモ音楽の世界

と学会の、最新前作です。
9/22に「トンデモマンガの世界」を書いた際に、リンクで引っかかって出版されていたのを知りました。

トンデモ音楽(ミュージック)の世界

トンデモ音楽(ミュージック)の世界

うーん。


最新作の「トンデモマンガの世界」といい、この本といい。
今一つ。
山本弘のMADテープに関する一節は面白い。
とはいえ、MADテープに関する一連は、山本弘のハマリものでひとくさり説明済みだし。
今回はおさらいと、ニコニコ動画ボーカロイドの登場によるMADテープ再燃の最新事情を書いている点は非常に興味深く読める。
確かに、一時期のSF大会ではMADテープを聴いたり観たりするだけの部屋があったりして、草の根BBSなんかでもコアなファンが多かった。ところが、Internetが流行しだしてからは技術は大変進歩したにもかかわらず、MADは成りを潜めた。
多分、著作権に対する警戒心があったのだと思う。
それがネット世界への若年層の参加、ニコニコ動画というフィールドを得たことによって再燃、顕在化したと言うところだろうか。
まぁ、確かに著作権の見地からすれば、限りなく真っ黒に近いグレーですからね。
引用といえば引用であり、思想信条を以て創られた二次創作物だと主張できなくもないワケなんだけど。まぁ、難しい範疇ではある。
個人的には、MADに使われるってことは、それだけ素材が有名か、愛されているかナンだと思うから。
愛があるなら……温かい目で見てほしいなぁ(笑)。


正直、その他は……あまり箸にも棒にも引っかからないか、或いは「トンデモっていうわけじゃないよなぁ*1」的なもの*2だったり……。
と学会設立の頃のトキメキは感じない。
ナンというか、と学会の名を借りた商業本という印象。
やっぱり得意分野で活躍してくれたほうが、嬉しい。

*1:一応、子供の頃にヴァイオリンとピアノをやっていて。数年前にいろいろ思うところがあって楽典やら音楽史やらをかるーく調べたことがあるので、そういう視点からすると、全体的にぬるーい違和感を感じる。

*2:語り口はライトで、そういういみでと学会の読者向けではあるけれど。