ダブルクロス The 3rd Edition ルールブック1
恐らく、TRPG史上に残る名作となるダブルクロス。
とうとう第三版。
そして、とうとう文庫ルールブック化です。
ダブルクロス The 3rd Edition ルールブック1 (富士見ドラゴン・ブック)
- 作者: F.E.A.R.,矢野俊策,しのとうこ
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2009/07/18
- メディア: 文庫
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そのワリには、このルールブック1。
「はじめに」から、キャラクター作成の各種データ、判定処理の殆ど、ワールドガイドにサンプルシナリオまで掲載されてます。
ルールブック2には何を載せる構成なんだ、こりゃ?
まぁ、各シンドロームのエフェクトは15種と相当少ないですが。
世界観としては、「ダブルクロス・リプレイ・エクソダス」以降。
クロスブリードの中から、三つめのシンドロームを獲得しトライブリードに目覚めるものが現れます。
また、FHに大きな動きがあり、プランナーが姿を消し、新たに“反逆の聖人”のコードネームを持つ、ある存在がFHを牛耳ります。
その交代劇に伴い、FHの世界的な情報テロによってレネゲイドの脅威が一般社会に浸透しか。
それにUGNは対処したとされていますが、その成果は恐らく今後の展開次第になるのでしょう。*1
さて、基本的なルールは……結構変わってるなぁ。
根本的なところとして、各エフェクト関連が見直されている。
キャラクター作成時の取得が、DX2では合計で8Lv分だったのが、DX3では4つのエフェクトと限定されている。
また各エフェクトのレベルも、DX2ではクロスブリードで2Lv、ピュアブリードで3Lvまでと統一されていたが、DX3ではエフェクトごとに上限が設定されている。
そのため一般的なエフェクトで3Lv上限、ものによっては5Lvだの10Lvだのという数字が見える。
そして、一般エフェクトが最初から使い勝手が良いものが多いので、逆に言えば、各シンドロームの特徴があまり目立っていないに見える。
今回の版上げのテーマは、「長くプレイできる」だったようなのですが、その改良のため、DX2では初期から個性が強く現われ、強かったキャラクターが、DX3では幅も強さも頭打ちされている印象です。
その結果、総じた感想としては。
随分とフツーのTRPGになっちゃったなぁ。
という感じです。
侵食率とロイス/タイタスのシステムを積んだ、「アルシャード・ガイア」って感じがします。
うーん、ルールブックが出揃ってみないと評価は下せないけど、現状のルールブック1の段階では、DX3はDX2に比べると魅力が薄いゲームだなぁ、と感じます。
ダブルクロス・リプレイ・ジェネシス(1) 放課後のアルテミス
DX3始動の先鋒を務める新シリーズ開幕。
ダブルクロスThe 3rd Editionリプレイ・ジェネシス(1) 放課後のアルテミス (富士見ドラゴン・ブック)
- 作者: 伊藤和幸,F.E.A.R.,亜沙美
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2009/07/18
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イラストがしのとうこじゃないんだ……
ってコトですね(笑)。
まぁ、今回、ルールブック三冊が進行しているのに合わせて、リプレイもイラスト描き下ろしたら、そりゃ死にますわ(苦笑)。
そう考えると、妥当な配慮だと思うんですが……
うーん、ナンというか。
ある意味で言えば、シナリオ、キャラクター、イラスト、すべてのバランスが取れていて。
どれ一つ、特筆すべきことがない、極めてスタンダードな作品、と言う印象があります。
菊池たけしのリプレイ無印、オリジン、アライブ、エクソダスなどのイメージをフォローしつつ、コンスタントにまとめてある手腕は流石だと思うんですが。
その分、どうしても各テーマにおいて過去作品を上回っていないという感じが否めません。
既存のファンからすると、少し物足りなさを感じますが。
本書で新たにダブルクロスに、そしてTRPGに接する層に対しては、非常に良い作品なんではないでしょうか。