サクラダリセット

何やら売れているらしいこのラノベ。
大量増刷してましたので、買ってまいりました。

何故か、特殊能力者がたくさん住む街、咲良田。
主人公は、3日間だけ時間を巻き戻す少女と、リセットに際し記憶を保持できる絶対記憶の持ち主の少年のペア。
時間改変をネタにしたセカイ系っぽいんですが


ナンと、作者はグループSNEの新人。河野裕


作家集団という名目もあるとは言え、グループSNEで、TRPGに関係しない書籍を出すことは稀で。
ましてや、デビューからオリジナルと言うのは初めてではないでしょうか。


文庫の帯には乙一の推薦文。
……読んだ感想は。
然るべきして出てきた作品だなぁ、という感想。
ライトノベルという土壌があって、高畑京一郎の「タイムリープ」、乙一ブギーポップ上遠野浩平。そうして生まれてきた、ライトノベルの政党後継者。そんな感じです。
村上龍のファンらしいのですが、村上龍の影響っぽいのは主人公もヒロインもヘンに冷め切っているぐらいでしょうか(笑)。


時間改変もので、能力対決ものです。
さまざまな能力者が登場しますが、限定された能力しかなかったり、発動条件が困難だったり、副作用的なペナルティがあったりして。
そしてその能力を巧みに使って、トラブルと戦ったりもしますが。
中身はやっぱり、センシティブな悩める少年少女だったりするのです。


うーん、なるほど。
ライトノベルの王道だなぁ。
このクオリティが、どれだけ失速しないかが、河野裕という作家のこれから、ライトノベルのこれからを大きく占うでしょう。